風台風というのもある!忘れないこと

日本の南の海上で台風と台風に成長しそうな熱帯低気圧がたくさん発生しています。

 

台風といえば、豪雨による水の被害が圧倒的に大きな割合を占めます。浸水や土砂崩れについてハザードマップで確認をしている人も多いでしょう。台風ではないですが、先週の豪雨でもマップを参考にして自主避難された方の話を聞きました。そこで、ちょっと忘れがちな風台風についての注意喚起です。

 

平成3年台風19号
平成3年台風19号

私たちにとって、風台風といえば平成3年の台風19号です。あれから、28年が経ちますから風台風の記憶は遠ざかっています。

 

この台風は日本近くまで北上する過程で、ほとんど勢力が衰えないままでした。東シナ海を進んだのちに東寄りにコースを変えて、長崎県佐世保市に一旦上陸します。その後は日本海に出て、下関市や長門市をかすめて北東に進み、北海道の南部に上陸してオホーツク海に抜けました。

 

台風は進路の右側で強風が吹きますが、台風のコースが列島の北側に沿っていたために多くの地域で風による被害が出ました。この台風の列島上陸時の気圧は940haと史上5番目に低く、風速は50m/s以上が各地で観測されました。台風は気圧が低いうえに、とても高速で進んだために風速も一層高くなりました。

宮島の厳島神社が倒壊して、青森では実ったばかりのりんごが甚大な被害を受けました。

 

中国電力管内では送電線の碍子が海から巻き上げられた海水で短絡して、長期間の停電が発生しました。私の家では、プレハブの倉庫が(荷物が入っていなくて軽かったこともあり)、見事に舞い上がりました。

全国で、死者62名、負傷者1300名、被害総額は7000億円という甚大な被害が出ています。死亡被害は山口県では5人、鹿児島県2人から北海道1人まで、最も多いのは青森県の9人と、全国に及んでいます。

 

風台風で亡くなった人の多くは、家から出掛けて被災しています。風台風のときの注意事項は家から出ないことです。台風は予想より早くやっていきて、足早に通過していきます。いくら気になっても、家や農地の様子を見に行かないことです。住んでいる家屋そのものが倒壊したケースもありますが、確率は低いです。

風台風を経験するのは一生に1・2回しかありません。少し意識をしておきましょう。 

 

「風台風のときは、怖くても家から出ない!」