アンケートはフランス語

仕事の成果を評価するのにアンケートの結果を用いることがあります。

 

「アンケート」はフランス語で、調査・質問といった意味だそうです。英語ではクエスチョネアあるいはサーベイになります。フランス語由来の言葉の多くは、それがアメリカやイギリスで外来語として使われていたものが、経由して日本に届いたものです。他には、レストラン、エチケット、コント、アトリエ、レジュメ、クレヨンなどがフランス語由来です。

 

アンケートのお願い
アンケートのお願い

例えば、公共施設の運営を評価するときに、利用者アンケートの結果が大きな部分を占めます。

しかし、アンケート調査が正確に運営の良し悪しを表しているのかといえば、疑問があります。

 

先ず、アンケートに回答してくれた人がサンプルを代表していないのではないかという疑問です。

アンケートに協力してくださいと頼んでも、たいていの人は面倒です。率先して協力してあげようと思う人の属性が偏ってしまいます。

アンケートの回答数が、求められているn数に不足してたら、無理にでも頼んで書いてもらうことになります。その場合は、回答者の属性がさらに偏ります。

ときには、絵のようにアンケートに回答したら粗品を差し上げるということもあります。この際は、粗品が何かによって回答者が偏ります。

 

アンケートの結果の割合もそのまま鵜呑みにできないことがあります。

質問の文章が誘導的であることも多いです。文章の中に前提が書かれているとか、複数のことを同時に訪ねているとか、仮定のことを訊いているとかです。中立公正に意見を訊くことは結構難しいです。

アンケートの回答の設定でも誘導がされることがあります。5段階評価のアンケートだったのですが、「満足・やや満足・普通・やや不満・不満」の代わりに「スムーズにできた・ほぼスムーズだった・できた・手間取ったができた・できなかった」という選択肢にしたらどうでしょう。分布はかなり変わってきます。

 

アンケートの設問の並び方というのも回答に影響します。質問が10問もそれ以上も並んだアンケートではその質問がどの位置でされるかで、回答分布は大きく変わります。世論調査などでもときどき問題になります。

アンケートの実施の方法も、窓口に用紙を積んでいて自由に書いて投票してもらうものもあれば、口頭で答えてもらうもの、ネットで返してもらうものもあり、様々です。

 

アンケート調査の結果にばかり気を取られずに、調査方法を十分咀嚼して判断しないといけません。実際は、アンケート調査をおこなう前にしっかりした結果が期待できるのかを考えることだと思います。アンケート結果は簡単に信じてはいけないです。