労働力不足に直面している日本では、労働生産性の向上が急務であり、機械化が加速します。
機械化を加速するためには、機械設備が安全に使用されなければなりません。しかし、機械設備による労働災害は死傷災害全体の約1/4、製造業に限れば約4割と高いのが現状です。
労働安全衛生法に機械災害を予防するための規制があり、機械安全のための指針が定められています。機械メーカーもユーザーも、この指針に従うことを再確認してください。
今日のテーマは重いので、中災防のWebサイトからポイントを記します。
生産性向上を支援するなかで、機械化や省力化を進めていきます。経営者や管理監督者のなかには、機械安全に関する知識が薄い人もいます。
機械は、それが小さなサイズのものでも、人間が抗いきれない強い力が出ます。本質的に危険な要素を持っています。この危険に対する感受性を経営者や管理監督者は持っていなければなりません。
機械の安全化の3つの前提は、「人はミスをする」「機械は故障する」「絶対安全は存在しない」です。しかし、言葉を変えれば「人は痛みをともなう怪我をする」「機械だってミスをする」「常に危険が存在している」ということです。
そこで、機械の安全化の3つの原則は、「本質安全」「隔離」「停止」です。
「本質安全」は危険源そのものを除去することです。
「隔離」は機械から人を隔離して、近づくことができないようにすることです。
「停止」は機械に人が近づくときは機械が停止しているということです。
ところが、機械の安全化を図っても「絶対安全は存在しない」ので、リスクは残ります。
そこで、機械メーカーは、保護方策実施後の残留リスクについて、「残留リスク一覧」、「残留リスクマップ」、「機械の制限仕様」をユーザーに機械危険情報として伝達する義務があります。そして、機械ユーザーは、この機械危険情報を基にしてリスクを把握して、必要な対策をとらなければなりません。
これらのことは、機械安全規制として決められているのですが、実際には十分な実施がされていません。この結果として、機械災害による死傷事故が無くなっていません。
機械安全規制を遵守することは、その大小や用途を問わず機械を作る、あるいは使う会社の経営者の義務です。しっかり確認してください。