NHKの番組でトレッキングコースとして裏剣が紹介されていました。ちょっと危ない!
トレッキングは山歩きのことです。 登山は一般には山頂を目指すものですが、トレッキングは山の中を歩くことが目的でピークハントにこだわりません。このため、トレッキングのほうが易しいイメージがあります。しかし、欅平から池の平というコースはとても大変です。テレビを視て安易に行ってみようと思う人がいると危ないです。
警察庁のWebサイトにある、山での遭難件数と遭難者・死傷者の統計です。右肩上がりで毎年増えています。
NHKの番組もそうですが、山の景色の素晴らしさを表現する映像が溢れています。昔の番組は景色や動植物だけを映していたものが多かったのですが、最近は実際に歩く人や登る人が主役になっています。
初めての山歩きとか、ちょっと拙いのでは初めての沢登りとか、綺麗な女の方がチャレンジするような映像です。
画面ではあくまで美しく描かれるわけですが、実際の山は違います。毎日のトレーニングを続けてから、万全の準備で山行に向かって欲しいと思います。
山での遭難を年代別に表にしました。70歳代の遭難が多いことがわかります。
総務省の余暇レジャー統計で、1年間に山登り・ハイキングを楽しんだ人の人数が示されているので、これを分母にしてみると、70歳代では100万人あたり571人ですから、昨年1年間に1750人に一人の割合でが遭難したことになります。しかも、そのうち6人に1人が死亡です。
安全な山行でも素晴らしい景色や、感動する自然に出会うことはできます。あまり無理をしないことです。無理をしないためには、エスケープルートがある行程を選ぶことが大事だと思います。その点で、裏剣トレッキングは日頃からトレーニングしている熟練者以外では危険が大きいと思います。
ひとたび遭難が発生すれば、多くの方に迷惑を掛けます。救助に当たった方の、痛ましい事故もおきました。くれぐれも、ご用心、ご用心。