最高気温が37℃・38℃と言われると、体温を超える暑さの実感が湧きます。
温度計があれば暑さ(寒さ)が定量的に表示されるので、暑さの程度とか、外出した時のダメージの大きさなどが実感できます。「あ~!暑い」では、暑さの程度を他人に説明することが難しいですから、温度計の存在は力になります。
温度計を初めて創ったのは、ガリレオ・ガリレイだと言われています。真偽のほどは少々怪しいのですが、まぁ、こう言われています。
ガリレオが作った温度計は「空気温度計」です。水を入れたフラスコにランプで熱したガラス管を立てると冷めるに従って水がガラス管の中を上っていきます。この状態で温度が上下すると水面の高さが変わるので温度がわかるという仕組みです。
空気の熱膨張を利用しているわけです。この発明は1592年のこととされるので、ガリレオは1564年生れですから28歳頃のことです。
1632年にフランス人の医師レイが、空気ではなく液体の熱膨張を利用する「液体温度計」を発明します。最初の液体は水ですが、その後はアルコールが利用されます。
これらの温度計では大気圧の影響を受けるので、1600年代を通して密閉式の温度計が開発されます。大気圧から独立した最初の温度計ができたのは1676年のことだそうです。
その後、1700年代になって使われる液体がアルコールから水銀に変わると、今もお馴染みの温度計の形になっていきます。
日本には1660年代にオランダ人が温度計を持ってきたということです。1692年にオランダ人ケッペルが書いた本に、寒暖計は30年前に自国人が持ち込んだと書いてあります。アルコール式の温度計だったのでしょう。
日本人で実用的な温度計を発明したのが、平賀源内です。1768年に自作の温度計に説明書を付けて販売しているのですが、その説明書が残っています。
時代はずっと下って、山口県で温度計と言えば防府の(山口県の)エジソンこと柏木幸助の柏木体温計です。国産初の体温計の量産に成功した方です。防府市の自然科学博物館に立派な銅像が立っています。山口県では、ちょっと知られた明治の偉人です。