人手不足を嘆く前に、今いる従業員を大事にしているかを確認しましょう。
「人手不足で叶わない。求人を掛けているが応募がない。中小企業は厳しいなぁ。」と言われている社長さん。「ところで、社長さん。一番最近入社した人はどなたで、いつ採用したのですか?」と訊くと、「え~っと?あれは田中君だったかな、鈴木君だっけ?採用は2月かな?いや、3月だったような・・・。お~い、佐藤さん、どうだったかな?」ということ。
「近者説 遠者来」は論語の言葉です。
孔子は、「近くにいる者が喜び幸せならば、遠くにいる者もそれを聞いてやってくるはずだ」だと言っています。
自分の会社の社員という最も身近な人を幸せにできないで、遠くの人が幸せを感じることはないのです。
「社員第一、顧客第二主義―サウスウエスト航空の奇跡」というベストセラー本があります。サウスウエスト航空では、「明るく楽しい職場にしよう」と社長自らが推進して、従業員を大事にします。極端な事例では、接客が丁寧ではないというクレームをお客様から受けた場合に、「私たちの従業員は楽しみながらサービスをしており、問題はありません。お気に召さなければ、どうぞ他の航空会社を利用してください」ということもあります。 「社長の仕事は、社員を喜ばせること。すなわち社員第一主義、顧客第二主義」だそうです。
売上高を上げるには、ことさらに新規顧客開拓に努力するよりも、既存顧客を大事にして喜んでもらっていることで、自然に販路が広がるものかも知れません。
人手不足を解消するカギは、迂遠なようでも今いる従業員を大事にすることのようです。