米国が、イランとの対立からホルムズ海峡を守る有志連合を結成すると言い出してます。
ペルシャ湾の出口に当たるのがホルムズ海峡です。日本に入ってくる石油の14%がホルムズ海峡を通過しますから、この海峡の航行の安全が守られることは重要です。万が一、封鎖されたりすると大変なことになります。そうは言っても、米国とイランの喧嘩に参加するのも気が進まないので、ちょっと困ったことになりそうです。
17世紀までペルシャ湾にホルムズ王国という国がありました。王国の重要な港町がホルムズです。14世紀までのホルムズは現在のイランのバンダレ・アッパーズに当たり、その後沖合のホルムズ島に移りました。
ホルムズ(Hormuz)って、どういう意味かと調べると、「語源はゾロアスター教の神アフラ・マズダである」と出てきます。
アフラ・マズダが訛って、ホルムズになったというのですが、どう訛ればなるのかはよくわかりません。
ゾロアスターはドイツ語ではツァラトゥストラでニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』が有名です。今から3000年くらい前の古代ペルシャで活躍した人で、ゾロアスター教を開きました。世界最古の預言者と言われますが、生き様は古すぎてよくわかりません。
ゾロアスター教の最高神が、アフラ・マズダです。善悪を峻別する知恵の神とされます。
ゾロアスター教の影響はその後に生まれた宗教に影響を与えます。アフラ・マズダのアフラはインドに渡るとアスラとなって、神様の総称となります。その後、中国に渡ると仏教を守るアシュラ(阿修羅)となり、日本に伝わりました。
自動車会社のマツダという社名は。創業者松田重次郎の姓だけではなく、アフラ・マズダのマズダに由来しているとされています。だから英語表記がMAZDAです。
ゾロアスター教は善悪二元論の宗教です。一神教であるキリスト教も善悪二元論(善神一元)に変わりありません。ホルムズ海峡から離れるほど昇華されていって、仏教では善悪一如となり、遠く離れた日本の神道では八百万の神様に善悪の区別はありません。日本の神様は融和することもあれば、対立することもあるのですが、善だ悪だ別れません。3000年の歴史で培われた価値観をお互いに分かり合うのは難しいことです。