中小企業の経営診断や経営相談をすると、大抵の会社が1度や2度は詐欺被害にあっています。
高齢者を狙った特殊詐欺グループのなかには、数百億円を稼ぎ出して立派なフロント企業を経営している。タレントを集めて何百万円(どうも1千万円以上かな?)も掛けた誕生パーティーを開く輩もいるようです。ところが、分別のあるはずの高齢者ではない経営者の多くも詐欺被害にあって、しかも大半は泣き寝入りしています。
右に中小企業庁のチラシを載せています。この画面から中小企業庁のWebサイトをリンクしていますから、確認してみてください。
さて、多くの中小企業者が詐欺被害に遭っていながら泣き寝入りしているのかというと、「消費者は保護される対象だが、事業者は保護の対象ではない」のです。
創業する人には口酸っぱく、創業した瞬間に国や公共が守る対象でなくなることを伝えています。
事業者には「クーリングオフ」が適用されません。事業者は自ら適確な判断ができるものとされており、自己の責任のもとに契約を締結するのです。
詐欺グループの口車にうっかり乗ってしまっても、乗った事業者が悪いのです。事業者は消費者ではないので、一旦結んだ契約は事業者間で解決してくださいということになります。詐欺グループと交渉して勝ち切る能力を持った中小事業者は少ないでしょう。
詐欺被害に遭わないためには「ちょっと待って!」です。はじめての契約、ちょっとでもおかしいと思う契約は、急いで契約してはいけません。きちんと情報収集をしたり、専門家に相談したり、納得をしてから契約しましょう。
以前はWebサイトの作成や運営での被害が多かったのですが、最近はそのWebサイトのSEO対策で2度被害に遭う人が増えています。仕事や顧客の紹介ビジネス、インターネットの回線やサーバーのサービスなどの詐欺的ビジネスも成長しています。まぁ、今どきはWebサイトをつくるのに何十万円もかかるはずはないという社会常識を持ちましょう。
一方で、事務機器のレンタルサービスなど古典的な手口でも被害も続いています。
最近では、求人紹介ビジネスによる被害が拡大しています。
人手不足で困っている中小企業の足下をみたビジネスです。主な手口は「無料で求人広告を掲載しませんか?」と勧誘して、無料ならと掲載を頼むと2か月後に多額の広告料の請求書が送られてきます。よくみると、契約書には「1か月間無料掲載後、解約しなければ自動で有料掲載に移行する」と書いてあります。但し、解約の仕方は書いてありません。
ご用心!ご用心!