懐かしい「象が踏んでもこわれない」アーム筆入ですが、今も売られているのです。
アーム筆入は小学生のときに使っていました。当時の小学生が使う筆入は、シンプルなアーム筆入(あるいは類似品)と、何というのかわかりませんがビニール製で蓋に磁石がついている開閉式の筆入とに二分されていたと思います。ひょんなことから、アーム筆入が今でも売られていることを知ってビックリしています。
右の写真からWebサイトにリンクしています。
アーム筆入は「アイディア文具の元祖!」とあります。1965年(昭和40年)に発売され、当時の日本中の小学生(の親かな?)に支持されて販売本数を増やして、1970年頃には500万本を販売していたそうです。
「象が踏んでもこわれない」のCMコピーは超有名でしたし、実際にアーム筆入を象に踏ませるという映像は斬新でした。
実際、アーム筆入は極めて頑丈で小学校の6年間くらいでは壊れることはなかったと思います。当時の小学生は10人が10人ともアーム筆入を力いっぱい踏みつけたり、ときには椅子から上に飛び降りたりして破壊を試みたにもかかわらずです。
アーム筆入はポリカーボネイトでできています。ドイツのバイエル社が開発したプラスチックで有機ガラスとも言われますが、ガラスの250倍の強度があります。
なんでも、後にサンスター文具の会長になる伊藤さんという人が、暴走族が信号機に石を投げても割れないのを見て、信号機の素材で筆入をつくることを思いついたそうです。
どんなことがあっても筆入を象が踏むはずはないわけですから、開発の意図はちょっとわかりにくいです。そこまでしなくても・・と思うのが普通です。
しかも、何しろ象が踏んでもなので、どこかに無くさない限り新しい筆入を買うことがありません。一方のマグネット式筆入が頻繁にビニールが剥げて買い替えが必要になったことを思うと、商売としても成功だったかは短期的には疑問もあります。
しかし、50年以上が経ってマグネット式筆入を見ることはできません。あるとしても、おもちゃ博物館のようなところでしょうか?
それに対して、アーム筆入はどっこい生き残っていました。単純にいいものは残る、とも言えないのですが、日本のものづくりには参考になる商品であることは間違いありません。