魚を食べるか日に当たるか

録画していた医療ドラマ。日焼け予防を徹底した赤ちゃんが”くる病”と診断されました。

 

くる病とは、ビタミンD欠乏症のことです。ビタミンDにはカルシウムを体内に取り込んで骨の発達を進める働きがあります。ビタミンDが欠乏すると骨の発育不良を起こすことになり、くる病になるわけです。近年、日光を過度に避けることでビタミンD欠乏症になる赤ちゃんが急激に増えているそうです。(2014年 こども10万人当たり12.3人がビタミンD欠乏症)

 

太陽と魚
太陽と魚

普通、ビタミンは体の中でつくることができないのですが、ビタミンDだけはつくれます。人の皮膚が紫外線を浴びると体内のコレステロールがビタミンDに変わるのです。

ビタミンDの欠乏は、こどものくる病だけでなく、大人の骨粗鬆症を引き起こします。そこで、少しは日に当たることが必要なようです。

 

ビタミンDを食事から摂取する方法もあります。これは、魚を食べるということとほとんど同じです。成人のビタミンD摂取の目安量は1日に5.5㎍です。骨粗鬆症の予防には10~20㎍の摂取が推奨されています。ちなみに、サプリメントなどで極端なことをしない限りは、ビタミンDの過剰摂取は気にしないでいいようです。

 

サケ切り身1枚(80g)で25.6㎍のビタミンDを含みます。しかし、ブリの切り身だと6.4㎍です。毎日5.5㎍のビタミンDでも食事だけから摂るのは難しいです。ということで、少しは日に当たってビタミンDを自分でつくらないといけません。

 

ところが、日にあたり過ぎると皮膚がんになるリスクが高まります(もっとも、日本人は世界でもっとも皮膚がんになりにくく、発症率は白色人種の数十分の1です)。紫外線は日焼けやシミの原因になりますし、白内障など目の病気の原因にもなります。

尚、目を守るために濃いサングラスを掛けるのも好し悪しだそうです。人は目に紫外線を受けることで防御反応を起こしてメラミンを合成して皮膚の炎症を抑制します。

 

何だか、ややこしいことになりましたが、まとめるとできるだけ魚を食べて、少しは日に当たりましょう。但し、夏の強い紫外線はほどほどに避けましょう。ということでしょうか。