危険予知で4ラウンド法をきちんとするのは小規模な会社ではちょっと難しいです。
そこで、チェックシートを使った「1人KY」の実践をおすすめしています。職場に応じて、適切な8項目を壁に貼りだして、作業に取り掛かる前に1人で危険予知をします。30秒ほどの短い時間ですが、いきなり仕事をはじめるのではなく、ひと呼吸を置くことで作業の安全性が大きく向上します。
1人KYのやり方は簡単です。チェック項目をひとつずつ声に出して読んで、自分でその答えを声に出して言います。自問自答するわけです。長い時間考えるのではなく、思いつかなかったら「ナシ」でOKです。
例えば、レストランでアルバイトをしているとすれば・・、
自問①「こぼさないか」自答「一度にたくさん盛るとこぼれる」、自問②「落とさないか」自答「鉄板を重ねて運ぶと落とす」、自問③「転ばないか」自答「ドリンクコーナーの床が濡れていると滑って転ぶ」、・・・など、簡単に答えていきます。
⑧まで自問自答が終わったら、そのなかで一番気になったことを上げて、その日の行動目標を立てるのです。
例えば、「一度に盛るのは1/3以下!」とか、「鉄板はトレーに1重で運ぶ!」「ドリンクコーナーの床が濡れていたらすぐ拭く!」・・といった行動目標をつくります。
その行動目標を、口に出して言ってみます。口に出して言えば、その言葉が耳から返ってきて、頭に残ります。その日1日、その行動に注意して仕事をすれば、事故やトラブルになることはありません。
毎朝実行すれば、1年で250の安全のポイントが頭に残り、身体が覚えます。
もちろん、1人KYは、いつもと違う仕事をする(急な仕事とか、誰かが休んだとか、急に代わりに入る場合など)ことがあれば、もっと有効です。急いでいるとき、慌てているとき、よく知らないとき、には事故の発生が増えます。
1人KYで事故になることを防いでいきましょう