”米国から農産品の輸入拡大を求められた日本が防戦一方”という報道ですがフェイクです。
日本のマスコミは悲観的なことを書きたがります。日本を実力以上に低く表現したり、国のトップを悪く書くことで自分が偉くなったような気になります。トランプ大統領の「8月には大きなディールを」という発言は、いみじくも日米の貿易交渉で日本が優位な立場にあって、米国政府が相当に焦っていることをあからさまにしました。
日本の2018年の農産品輸入額は約6.6兆円でした。そのうちの1/4近い1.55兆円が米国からの輸入です。2位の中国(0.75兆円)を2倍以上引き離しての圧倒的1位です。ちょっと、驚くでしょ!?
つまり、もともと日本は米国ファーストで多くの農産品を輸入しているというのが事実です。
何を輸入しているのかというと、牛肉・豚肉、とうもろこし・小麦・大豆、かんきつ類です。
牛肉・豚肉には国産と輸入品の間には明確な差異があります。日本の畜産農家にとって輸入肉の価格が下がることは脅威とは言えません。国産牛と輸入牛は全く違う食べ物です。
現在、牛肉にかかる日本の関税は米国産には38.5%、TPP11には26.6%です。まぁ、関税がこの水準でも、既に国産品が太刀打ちできないほど輸入肉は安いです。
仮に、米国からの関税を引き下げたとしても、国産牛の売上は変わりません。米国:豪州のシェアが移動するくらいでしょう。牛丼の吉野家が米国産牛肉にこだわり続けたように、米国産と豪州産の牛肉にも品質差がありますから、移動の割合も小さいでしょう。
とうもろこし・小麦・大豆についてもほぼ同様です。穀類では、一般用途に関しては、品質面でも価格面でも米国産が国産品を凌駕しています。国産品が優位なのは、安全性と日本ブランド、それに特殊な製品向けのこだわり品質です。
穀類でも関税を見直したとしても、小麦で米国:カナダのシェアが多少移動するくらいです。とうもろこし・大豆は米国に次ぐ日本の輸入国はブラジルなので影響は軽微でしょう。日本の農家への影響は少ないと思います。
要するに、アメリカ(トランプ大統領)が、よく考えもしないでTPPから脱退したもので、加盟国との間に関税の差が産まれたわけです。
現時点では、これに危機感を持った、アメリカの農業団体は、トランプ大統領にTPPへの再加盟を求めています。しかし、トランプ大統領としては、再選に向けて強気を貫かなければならないので、大いに焦っているというわけです。
日本としては、時間が経過しても影響はほとんどありません。首をかしげながら、控えめに、はにかみながら様子を見ていればよいでしょう。
自動車関係は別の機会に・・