読売新聞で”けた違いの誤報”がありましたが、将来に渡っては修正されないので不安です。
昨日(5月24日)の朝刊です。主見出し「アフリカ豚コレラ 肉持ち込み 没収1367㌧」副見出し「水際強化1ヵ月 158人に警告」というものです。1か月間に違法な肉製品の海外からの持ち込みが1367㌧も企図されていたとすれば、大変な問題です。日本の安全保障上の緊急事態と言えます。
先ず、事実関係を整理しておきます。
豚がかかる伝染病に「豚コレラ」というのがあります。日本では、岐阜県や愛知県など5県での感染例があります。
○”コレラ”と名称がついていますが、コレラ菌とは関係なく、人のインフルエンザと同じくウィルス性の病気です。感染力が強く、致死率が高いので、蔓延させないことが大事です。有効な治療法が無いので、ワクチンの接種などで感染を抑えます。
○「豚コレラ」は豚やイノシシが罹る病気で、人間には感染しません。感染肉が市場に流通することはありません。また、万が一感染肉を食べても、人に害はありません。
○「アフリカ豚コレラ」は「豚コレラ」とは全く異なる病気です。やはり、感染力が強く、致死率も高い。有効な治療法がないうえに、ワクチンもありません。
○「アフリカ豚コレラ」の日本での感染例がありません(いわゆる清浄国)。
○「アフリカ豚コレラ」はアフリカでは以前からありました。それが、10年ほど前からロシア(ヨーロッパ)で発生し、5年ほど前から東ヨーロッパに拡散し、近年では一部の西ヨーロッパ国と中国・ベトナム・モンゴルでの発生が報告されます。
→日本としては、「アフリカ豚コレラ」ウィルスの国内への侵入を防ぐために検疫を強化しているというわけです。
今日(5月25日)の読売新聞の社会面の端っこに掲載せらた「訂正 おわび」です。
「昨日の記事の1367㌧は1367㎏の誤りでした。訂正します。」ということです。
まぁ、1367kgでも随分な量だとは思うのですが、1/1000の量に減りました。
食物検疫で、1か月間に指摘される量としては納得できる量です。
どうやら、日本の安全保障は大丈夫です。
それにしても、訂正おわびが小さすぎないでしょうか?前日の記事内容では、消費者の不安を不必要に煽るように思います。
出してしまった新聞を回収することはできないわけですが、もう少し大きく掲載するべきかと思います。
図書館などで過去の新聞のスクラップを見ることがありますが、何年も経ってからだと、この時代には家畜感染症で大変なことになっていたのか?と誤解されるかも知れません。
単位には十分な注意が必要です。