どんな会社でも営業担当者がいます。経営者は営業マンの力量になかなか満足しません。
そこで、TEDトークをちょっとつまみ食いしてみます。TEDトークとは、近年はカナダで開催されている大規模な世界的講演会「TED Conference」での講演(プレゼンテーション)の方法です。世界の著名人がスピーカーになるのですが、どんな大物でも事前にTEDトークのトレーニングを重ねてから登壇します。
1年に5日間だけ開催されるTEDカンファレンスの参加費は基本的に1万USドル(110万円)です。カンファレンス会場の企画には有料のものもあるので、追加費用もかかります。
110万円以上を支払っても、TEDカンファレンスの満足度は非常に高いそうです。
世界の超一流の科学者・芸術家・経営者などが、とっておきの話題を洗練されたトークでプレゼンテーションします。そこから得られる興奮、その後の人生に対する好い影響を考えれば、全く高い費用では無いという評価なんです。
TEDトークの解説本から、つまみ食いします。営業マンの参考になるでしょう。
1)第一印象が大切:登壇するスピーカーは皆さんが格好いいです。格好いい人を選んでいるとか、優秀な人は格好よくなるとか、もあるのでしょうが、よい印象を与えるようにスタイリストがついて指導しています。もしかすると、講演のかなり前からフィットネスに通わせているのかも知れません。
2)導入部で引き込む:話し始めるやいなや一瞬で、聞き手はスピーカーの世界に引き込まれます。このマジックの種は一様ではありません。間違っても、自己紹介をしたり、ジョークを飛ばしたりしないことだけは確かです。
3)具体的に詳細に話す:TEDトークで聞きたいのは、スピーカーのとっておきの話です。著名人である彼や彼女の業績なら聞き手は既に知っています。聞き手が知らない細かいこと、しかし重要なことをピックアップして語ります。神は細部に宿るのです。
4)数字や指標を使って話す:”近年では、影響が拡大している”といった曖昧な言い方ではなく、”昨年は26万2000人に影響があり、そのうち1万3400人には1年後も影響が残っている。”というふうに正確な数字を使って話すことが聞き手の関心を高めます。
5)聞き手に考えさせる:ときには聞き手の頭を使わせなければなりません。”あなたに尋ねますが、5年前と比べて影響は大きくなっていますか?”といった質問を組み込みます。
6)決めゼリフを入れる:トークのなかに、伝えたい核となる短いけれど力強いメッセージを入れ込みます。営業マンなら、「あなたがこの製品を試してみなければ、その瞬間、人生で最もすばらしい体験を放棄することになるでしょう。」なんて、スティーブ・ジョブスのように言ってみたいところです。
7)結論をはっきりさせる:それでは、まとめてみましょう。「結論として・・」「要するに・・」ここだけは、決して忘れて欲しくないことを、最後に言い切ることです。
いかがでしょうか。参考になりましたか?