アメリカと中国の間で関税を掛け合えば、この世界の二大市場に日本製品が溢れます。
まぁ、いろいろ複雑な要素もありますし、二次的な世界経済への影響とかもありますが、そんなことは偉い人に任せましょう。とりあえず、中国からアメリカへの製品輸出が関税の影響で割高になると、アメリカの消費者が代わりに日本製品を購入する機会が増えます。一度日本製品を使えば、ファンになって、もう中国製品や自国(米国製)に戻れません。
日本の製造現場にとって、今はチャンスのときです。このチャンスを逃さないようにしましょう。
思い返せば、私たちが社会に出る頃には、日本は高度経済成長を果たして先進国の一員になっていました。先進国同士の競争となれば、いきおい成長率は鈍化(10%超から3~4%へ)します。今の・今からの中国も同じです。
先進国間の競争は激化しますが、そのなかでも、TQCやカイゼンを進めて日本の製造業は頑張ります。貿易黒字は溜まっていき、貿易摩擦ということになります。今の・今からの中国も同じです。
1990年代になると、冷戦が終結して中国が台頭してきます。円高が続くなか、日本人の賃金の1/20以下で働く10億人の労働者が突然現れたわけです。製造現場は大打撃です。
しかし、歴史は繰り返されます。今の中国は30年前の日本と同じです。
人民元の統制に成功したところが当時の日本との違いですが、貿易摩擦は避けられません。ようやく、中国の賃金は高騰してきて、日本との差は縮まってきました。
知的財産の問題も、どうとでも解釈で来る(実際は中国側に有利に読み取れる)漢字ばかりの中国文のため、やりたい放題でした。この分野でも一定の歯止めがかかりそうです。
今回の貿易戦争は、米中という巨大市場が、日本の製造業の製品や技術に触れる好機です。日本の製造業にとって、千載一遇のチャンスが来ています。これまでの苦しい環境の中でも、営々と努力を積み重ねた総合的な品質を発揮しましょう。夜明けは近いです。