モノをはかるときに、どのくらいの精度の計測器を使うかの基準が4:1です。
製品(計測されるもの)と計測器(計測するもの)との精度の比率を4対1以上にします。例えば、長さ100.0±1.00㎜という規格の製品があるとすれば、この長さをはかるノギスの精度は±1.00㎜の1/4である±0.25㎜以下を満足していなければなりません。
もちろん、より高精度な計測器で計測することは測定の精度を高めることになります。
しかし、高精度な計測器は高価ですし、管理にも大変な手間がかかります。また、いくら計測器が高精度でも、計測する人や条件が適切でなければ、期待される性能が発揮されるとは限りません。
そこで、計測の現場では「4:1の原則」というのが、しばしば登場します。製品と計測器の精度の比率は4:1であれば十分だというわけです。
製品の精度をA、計測器の精度をBとした場合、測定の精度はC=√(A^2+B^2) で現れます。仮に、A=10でB=10なら、C=√(10^2+10^2)=14.14 です。つまり、製品の精度と計測器の精度が1:1で同じのときは、測定の精度に41%の影響を与えます。
これが、A=10でB=2.5なら、C=10.31です。つまり、測定の精度には3%の影響しか与えません。A=10でB=1なら、C=10.05ですから0.5%の影響です。
どこまでの精度比が必要かはケースバイケースではありますが、国際的な基準(ISO10021)では4:1以上と決めています。このあたりが合理的な判断基準だろうというわけです。
☞ 2015/03/06 「すべて測る」 ・・ 今月号の「計測標準と計測管理」