「安全」だから「全く安らか」ではないことを理解する必要があります。
どんな活動であってもリスクは必ずあります。大きなリスクがあって許容できない場合には保護対策をとってリスクを小さくします。ある程度まで小さくなれば、そのリスクを受け入れます。可能な限りの保護対策をしたうえでも、なお残留するリスクが残ります。残留リスクも、その活動による便益が大きい場合には受け入れることになります。
例えば、幼い子供が大きな裁ちばさみを使って折り紙を切ろうとしています。
このリスクの大きさを受け入れらないとすれば、どうするでしょうか?
大きな裁ちばさみではない、小型のはさみを使わせるようにするでしょう。また、はさみの先端が丸まっているようなはさみを選ぶでしょう。刃先がすごく鋭利なはさみも避けるでしょう。
それでも、子供が指を傷つけるリスクがゼロになるわけではありません。このリスクであれば、受け入れて子供に自由に紙を切らせてみようと思うわけです。
そして、このリスクが受け入れ可能な状況というのが「安全」と定義されています。
この受け入れ可能なリスクの判断は、人によって、業種業界によって、地域によって、時代によって異なります。現代社会では、年々受け入れ可能なリスクの大きさは縮小していると思います。十年前には「やってみよう」でも、現代では「決してやってはならない」に変わっているものがたくさんあります。リスクの基準をときどき見直さないといけないわけです。
「ご安全に!!」