本当の業務をフローに分解できるか?

企業がシステムを導入する場合に、最初で最大の課題が業務フローへの分解です。

 

今、生産性向上(特に労働生産性向上)が強く求められています。忙しくて、人手不足ですが採用はままなりません。ICT技術を使ってたちまちのうちに仕事が進むシステムを導入するのが早道です。最近のAI技術の進歩は目を見張るものがあるから、何でもできます。ところが、システムを導入しようとすると・・・(@_@;)

 

コンピューター・サーバー
コンピューター・サーバー

実際、多くの会社がシステムを導入しようとするのですが、100点満点で成功したというのはほぼゼロのような気がします。

 

失敗事例にはいろいろあります。

導入を決めたがシステムの完成までに長い時間がかかって、できたときには時代遅れになってしまった。笑い話のようですが、この事例は結構多いです。

 

システムを導入してみたが、誰もその存在を知らない。ブラックジョークではなく、ときどきあります。社長直轄で業務改革推進室とか別組織をつくって、導入したようなケースです。システムが完成したときには、既に推進室は解散して無くなっていて、事務所や工場に何故かパソコンやサーバーが埃をかぶっている。

 

システムを使い始めたが、まるで役に立たない。多額の費用が掛かっているので、捨てるわけにもいかず、経費精算くらいに使っている。まぁ、それでも動いているだけマシでしょうか?いやいや、電気代やメンテナンス代でランニング費用がかかるので、動かないほうが罪が軽いかも知れません。

 

何故、こんなことが起こるかといえば、システム導入の最初のステップである現在の業務をフローに分解するというのが意外に難しいのです。

稀に、現在の業務は関係ない。パッケージのシステムの方に業務のやり方を合わせればいいなんて乱暴なことを言う人がいますが、絶対にうまくいきません。

 

業務フローをつくるという最初で最大の課題の解決には、会社のハイパフォーマーの協力が必要です。裏返すと、ハイパフォーマーの時間と能力(脳力)を消費することになります。今でも忙しいのに、そんなことができますか?

このジレンマを解消できるのは、経営者の理解と覚悟だけです。