アメリカとメキシコの間に壁をつくるのか、つくらないのか?もめています。
国境の壁を現実のモノとしてとらえるか、思想というか考え方でとらえるのか? なかなかに難しい問題です。日本でも近いうちに、移民政策をとるようになると思います。そのときに、どのような移民政策を採用するべきなのか?考えておきましょう。
最初に、トランプ大統領が国境の壁をつくると言っている理由は「不法移民の流入を防ぐ」ということです。何故、不法移民の流入がいけないかは「麻薬や犯罪が増える」からということです。
ここで注意したいのは、トランプ大統領は移民政策を否定しておらず、「不法移民」を排除すると言っているわけです。
日本人としては、この段階までは、もっともなことだと感じます。
ところが、そもそも「不法移民」を認めるというアメリカの人が多いのです。現時点で、アメリカの人口は3億3000万人くらいですが、このうち1100万人が「不法移民」なんだそうです。積極的に不法な入国を奨励することはないものの、変な言い方ですが自ら苦労して入国したのなら認めてあげようということです。
海に囲まれた日本では、ちょっと理解し難い感じです。
この延長線上にある考え方が、国境の壁をつくっても不法移民は止められないので、お金の無駄だということがあります。既に簡単にアメリカに入国できるような場所には壁があり、非常事態宣言で支出する6000億円(総額は2兆円以上)掛けて壁をつくっても全てのルートを防ぎきれないというわけです。
以前のブログにも書きましたが、アメリカとメキシコの国境の半分はリオ・グランデ川です。
☞ 2017/02/11 国境の壁は川のどちらにつくるのか?
このあたりも、島国の日本人にはピンとこないです。
更に、1100万人の不法移民といっても国境を苦労して超えてアメリカに入った人よりも、正規のビザを取って入国した後にオーバステイした人の方が多いそうです。こうなると、厳密な入国管理に加えて、在留者管理を徹底して、これを回避することが重要です。
この問題は日本でも関心を高めないといけないです。昨年7月現在で、日本にはオーバーステイの外国人が約7万人います。そして、1年間で10%くらいの割合で増えています。
外国人というだけで街で目立つということは、山口県ですらなくなってきました。取り締まりは年々難しくなっていくように思います。