移動中のラジオで国会中継を聴いていましたが、消費税が逆進的というのはちょっと変です。
消費税は間接税で消費支出にかかる税金ですから、消費をたくさんする人(家庭)がたくさん税金を払うというシンプルなものです。所得の多い人ほど、たくさん消費するのでたくさん消費税を納めるということになります。
右のグラフは家計調査の家計収支2018年調査からつくりました。
消費税は10%に増税された後の金額として、単純に消費支出×10%で試算しました。(但し、食料品支出は8%)
この調査では家計所得を5分割しています。Ⅰが全勤労世帯のうち所得が少ない方から20%、Ⅱがその次の20%・・となります。
所得が増えれば、消費税額が増えていくことがわかります。但し、所得の伸びほどには消費が伸びるわけではないので、負担率は下がります。
一方で、直接税である所得税は累進課税なので所得の伸び以上に負担率が上がっていきます。直接税と消費税を合計した税負担は高所得世帯の方が高くなります。
Ⅰの階層では、年間の消費税負担が19万円で直接税負担が11万円です。所得に対して消費税7.5%、直接税4.4%、合計11.9%の負担です。
Ⅴの階層では、消費税負担が47万円で直接税負担が108万円。所得に対して消費税4.1%、直接税9.5%、合計13.6%の負担になります。
確かに、世帯所得の伸びに対して税負担の累進性は低いように思えます。しかし、高所得であるⅤの階層では世帯人数が3.37人、Ⅰは1.55人です。つまり、Ⅰの階層の多くは単身世帯です。Vの階層では、所得は多いのですが住宅ローンの支払いなどで家計が苦しい世帯も多いと思います。
税の公平性というのは、なかなか一概には言えません。