「デブは万病のもと」と言います(?)が、多くの国が国民の肥満に悩んでいます。
世界各国で、国民の肥満対策として、日本が実施してる特定健康審査(メタボ健診)を導入することが効果的ではないかと注目されています。そこで、メタボ健診のノウハウを輸入したいという国が現れるようになりました。その一つが、ロシアです。
現在、世界では成人人口の約12%に当たる7億人が肥満です。肥満はWHOの定義では、BMIが30以上ということです。身長170㎝の人では、体重が86.7㎏以上ということになります。
7億人の内訳は、アメリカが9000万人・中国に6000万人超・インドに4000万人超、そしてロシアに3000万人といった順になります。日本では約500万人といったところです。
ロシアは世界4位の肥満大国です。また、平均寿命が男性67歳・女性77歳と短命(日本は男性81歳で女性87歳)な国でもあります。対策が必要です。
世界のGDPは約8000兆円ですが、肥満による経済損失は世界で200兆円(2.5%)に上ります。これは、地球温暖化による経済損失(250兆円)、途上国の環境衛生環境の遅れによる経済損失(180兆円)とほぼ同額となり、世界経済の三大損失の一つです。
「世界で肥満率減少に成功する国は一つもない」というのが定説です。
実際、日本でメタボ健診が義務化された2008年の肥満率は3.4%でしたが、最新の2016年の肥満率は4.4%となっています。しかし、メタボ健診のような社会的な施策では、効果が現れるには時間がかかりますから、もう少し注目しておきましょう。
メタボ健診の受診者を追跡調査した結果では、保健指導を受けた人の1/3がメタボを解消したということです。この結果にロシアの保健福祉庁は注目して、導入を検討し始めたわけですが、日本が世界で最初に肥満率減少に成功した国と認定されることに期待したいですね。