製造元の出荷段階で、1リットルが1000万ドル以上するそうです。
サソリ毒は、現在は解毒剤としての使用が主体です。サソリだけでなく毒ヘビや狂犬病などの解毒にも使われます。主な生産国はトルコです。非常に高価なサソリ毒はトルコの輸出品として大きな貢献をしています。
今、そのサソリ毒が注目を浴びています。
サソリ毒はアミノ酸がつながったペプチドというものが主成分です。サソリは、ペプチドの宝庫なのだそうです。
ペプチドもいろいろなのですが、サソリ毒の一部である「スコーピン」は、非常に強い抗菌性で細菌感染を防ぐ効果を発揮します。
従来の抗生物質が効かないような、細菌に対してもとても少ない量で増殖を抑えることができます。また、マラリアのような寄生虫も撃退するそうです。
サソリ毒の研究は、日本を含む世界中で近年盛んにおこなわれています。
サソリは世界中で2000種ほどが確認されていて、それぞれに100種のペプチドがあるとすれば20万種になります。現在、サソリ毒から単離されたものは約2000種だそうですから、約1%に過ぎません。更に多様なペプチドが発見されて、医学的に重要な効果を発揮する可能性が高いとのことです。
実際、がん細胞の増殖を抑える働きとか、がん細胞と選択的に結びついてマーカーの役割を果たすというものもあるようです。難病治療などにも貢献するかも知れません。
詳しいことはよくわからないのですが、怖い毒が優れた薬にもなるというわけですね。