新入社員の頃、私たち(昭和30年代半ば生まれ)は「新人類」と呼ばれていました。
昭和50年代後半に就職した我々です。振り返れば、会社のトップ層は大正生まれだったわけです。主力メンバーは戦前に生まれています。この先輩方に、仕事で大事なのはKKDとGNNだと言われます。新人類にはKKDもGNNも欠けているというふうに思っていたようです。
当時、よく言われたKKDとGNNですが、今も使っている人はいないでしょうから解説します。
KKDは経験と勘と度胸の頭文字です。
仕事は理屈じゃなくて、現場の苦労や修羅場をくぐった経験で培った勘を頼りに、度胸を決めてやるのだということです。
GNNは義理と人情と浪花節の頭文字です。
当時のベテラン社員には、新人類の(ドライな?)価値観や感性は理解できないと言われました、ベテラン社員の(ウェットな?)価値観を端的に伝えたのがGNNだったようです。
しかし、そんな新人類にとっても、更には今のゆとり世代であっても、仕事の基本はKKDとGNNだというのは変わりません。
KKDを新人類風に解釈すると・・
K(勘):勘というのは推論のこと。既知の事象から何かの論理や規則に応じて未知の事象を明らかにすることです。新人類は、その論理や規則を知りたいと考えます。
K(経験):経験が活きるということは、その事象に再現性があるということです。再現性があるということは、自然科学的な根拠があるということです。それならば、その根拠を知ろうじゃないかというのが、新人類です。
D(度胸):実際に難しいことに挑戦することを度胸と言っています。挑戦に失敗して、致命傷を負うことは避けるはずで、トライ&エラーが可能なことにしか挑戦しません。つまり、度胸とは、リスクを認識してそのリスクをマネジメントできているということに他なりません。
GNNも同じです。
G(義理):義理とは、責任や責務をどんなことがあっても果たす。約束・契約・法律・規範を守るという観点では、その前の世代より新人類のほうが義理堅かったと思います。
N(人情):ヒューマニティーという意味を超えて、リーダーシップやメンバーシップの発揮という意味です。
N(浪花節):金銭的な利益や地位とか名誉にこだわらず、倫理的に正しいことをおこなうということです。これも新人類世代の特徴の一つです。
ということで、世代を超えても大事なことはあまり変わらないのだということです。