ヌートリアによる獣害が拡がっている

よく知らなかったのですが、山口市や宇部市ではヌートリアによる被害が出ているそうです。

 

このエリアで野生?のヌートリアは10万頭以上が棲んでいるということ。ヌートリアは、大きなネズミです。南米原産で日本にはいなかったのですが、戦前に毛皮をとるために輸入したものが飼育を放棄されて野生化したものだそうです。草食性で、畑のキャベツやレンコンなどをかじって商品価値を無くしてしまう被害が出ています。

 

宇部ときわ公園のヌートリア
宇部ときわ公園のヌートリア(ときわ動物園のWebサイトから)

ヌートリアというネズミは、思った以上に大きくて、成獣だと体長が70cmもあります。これに50cmの尻尾がつくので、威圧感がある大きさです。

 

水辺に棲んでいて、足には水かきがあり上手に泳ぐそうです。

写真のヌートリアは宇部ときわ公園の湖畔に設置した監視カメラの映像です。

 

ヌートリアは夜行性で住民が見掛けることは少ないのですが、夜間に畑の作物をかじったりするのだそうです。また、水田の畔やため池の堤に穴をあけてしまうので、漏水や最悪の場合は堤の決壊につながる懸念もあるとのことです。

 

ネズミ算というくらいですから、繁殖が盛んになればヌートリアは一気に増えます。ヌートリアの妊娠期間は4か月で年に2~3回繁殖して、1回に1~12頭の子を産むそうです。生れた子は半年で性成熟して、また子をつくるようになります。計算上は、一つのヌートリアのつがい

が2年も経てば数百頭になります。ちなみに寿命は7年くらいです。

 

ヌートリアは、第二次大戦の軍服用の毛皮獣として輸入されたものが野生化したということですから、日本に棲みついて75年くらいになります。これまで、当地であまり話題になっていなかったのは個体数がそれほど多くなかったのだろうと思います。

  

最近になって増えているのは、ヌートリアにとって住みやすい環境になったということでしょうか?ヌートリアは暖かいところに住む動物なので、冬場の寒冷が緩んでいることも関係があるのかなぁと思います。