いやはや、久しぶりにビックリしました。FAで巨人に移籍した丸選手の人的補償で、巨人の長野選手がカープに入ることになったそうです。
長野選手には、最も巨人の選手らしい(都会的で洗練された)イメージを持っていました。昨年、髙橋由伸監督が予想以上に早く退いたのですが、原辰徳監督の次の時代の巨人を率いる一人のような気がしていました。
まぁ、プロ野球は広島カープにしか興味がないので、長野選手のことは詳しくありません。今回のことで、調べてみると佐賀県基山町の出身で、鳥栖市生まれの緒方監督とは隣町です。
ちょっとホッとしました。佐賀弁がいつまでたっても抜けない緒方監督の話し相手にも格好です。(カープでは迎コーチが佐賀県出身ですが有田なので言葉が違います。)
日本プロ野球を代表するビッグネームが広島に入ってくれるのは期待が大きいです。カープで2000本安打まで頑張ってくれるといいなぁと思います。
ちょっと気になるのは、長野選手の巨人時代の背番号は7です。永遠の未完の大器・プリンス堂林が背番号を譲るという決断はあるのだろうか?ということ。
さて、今回の人的補償では巨人が長野選手や内海選手などベテランをプロテクトせずに、人的補償で放出したという判断が話題になっています。
日本の会社においては、ベテラン社員の処遇というのは頭を悩ます問題です。一般に、社員のパフォーマンスは入社から経験を積むことによって高くなっていきます。しかし、ずっと高くなり続けるかというと、あるところでピークを迎えて、その後は下がっていきます。
パフォーマンスは、主に「経験×能力×意欲×体力×個人の事情」の掛け算で表されます。ベテランは経験は積んでも、新しい技術への対応力や体力などは衰えていきます。また、親御さんの介護とか配偶者の体調とか、個人の事情でパフォーマンスを落とすことも増えます。
一方の処遇は、日本の多くの企業の場合は右肩上がりのカーブを描いて、定年退職まで大きく下がることがありません。若いときは、処遇(賃金ですね)を超えるパフォーマンスを発揮して、ベテランになるとパフォーマンスに対して処遇が厚すぎるということになります。
そこで、ベテランのパフォーマンスをいかに上げるのかが企業の大きな課題です。ベテラン社員を不良在庫にしてはいけないのです。
ベテラン社員のパフォーマンスを低下させないためには、主に二つの方法があります。
一つは、意欲を高めることです。昇進や昇給が期待できないベテランに、やる気を喚起するには、会社や社会の役に立っているという実感を持たせることが大事です。それぞれの人のキャリア感を変えるように仕向けなければなりません。
二つは、新しい能力(ときには体力)を身につける努力をさせることです。40年前の知識や技術で戦えないことは誰にだってわかります。20代・30代のことの馬力はもうありません。それでも、新しいことを学び、能力を高めることを諦めささないことが大事です。
長野選手が巨人のプロテクトから外れていたのは、つまるところ、処遇とパフォーマンスがミスマッチであると巨人が判断していたわけです。しかし、広島は移籍によって長野選手の意欲が高められることを期待していると思います。さらに、コーチングや他の選手との連携によって、長野選手が新しい能力を獲得できると考えたことでしょう。
広島カープが、来シーズンに4連覇を達成することを長野選手の活躍とともに祈念します。