テレビ東京の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」という番組があります。
ルイルイの太川陽介さんと漫画家?の蛭子能収の二人をメインにしていた人気番組の後継にあたります。俳優の田中要次さんと芥川賞作家の羽田圭介さんがメインで毎回マドンナ役の女性ゲストを加えた3人で路線バスだけを使って3泊4日の旅をします。
山口県ではテレビ東京の番組はリアルタイムで見ているのではなく、古い番組を再放送で視聴することが普通です。
この番組は年に4回くらいの不定期放送です。たまたま、このお正月休みに、2017年3月放送(ゲストはIMALUさん)と2018年9月放送(ゲストは秋本奈緒美さん)の2回分を観ました。
アポ無し・インターネット情報収集無しの聞き込みだけ、当然ながら路線バスのみを利用して、長距離移動することは想像してみても至難の業です。
ローカル路線バスの旅の面白さは、理不尽なまでの不自由さにあります。
折角バス停に到着しても、バスは1日2便(吉幾三さんの唄?)だけとか、乗り継ぎのバス停まで11km歩かないと着かないとか、・・。バス旅のはずが、4日間で数十キロ歩いたり、通り過ぎたバスを追いかけて走ったりというドタバタが展開されます。
番組としては面白いですし、田中さん・羽田さん・マドンナさんの奮闘を心から応援しているのですが、実はこの不自由さはローカルエリアの人の日常でもあります。
1日2便のバスを乗り過ごすことはできませんし、バス停まで何kmも歩くのはムリです。
特に感じるのは、県境や市町の境でバス路線が途切れることの不便さです。この番組でも、路線バスの旅とはいってもコミュニティバスを利用する割合がとても高くなっています。民間の路線バスは経営悪化で廃業したり廃線になっています。この代替を地方自治体が運営するコミュニティバスが担っているわけです。
元々の民間バスでも許認可の関係で県を跨ぐような路線は少なかったのですが、税金で運営されるコミュニティバスが市町を超えることはあまりなさそうです。そこで、路線バスZの皆さんは市町境を徒歩でクリアしていくことになります。
地方のコミュニティバスは自動車に乗らない児童生徒や高齢者の足ですが、市町のなかで全ての用事が済むわけではありません。番組の面白さは無くなるかもしれませんが、隣接する市町が連携して、コミュニティバスを連結するような運行を検討してみてはどうでしょうか。
その際には、住民の足という用途に限らず、通勤通学や観光などへの利用拡大を積極的におこなうことも大事です。地方では役所に勤める人の割合は高いので、その通勤用に使っても構わないですし、スクールバスや通園バスとして併用しても良いでしょう。
市町連携ができれば、観光客誘致にも活用できそうです。国内外を問わず訪れた観光客と地域の人とのふれあいの場になれば、面白いと思います。