エアコンの銘板 冷媒”R22”に要注意

経営指導員さん向けの省エネセミナーの講師をしています。R22に要注意です。

 

現在のタイプのエアコンが製造をはじめて約40年です。この間に、性能や省エネ性は大幅に向上していますが、外観はあまり変わりません。30年以上経ったエアコンを大事に使い続けている事業者さんもかなりの数あります。

 

エアコンの銘板
エアコンの銘板

20年以上前になりますが、1990年代前半までのエアコンでは冷媒にR22が使われています。

 

このR22はHCFCと呼ばれるフロンを使っています。このフロンがオゾン層を破壊することがわかってきました。そこで、1987年にモントリオール議定書という国際条約によってR22を廃止することが決まりました。

但し、いきなり廃止するとエアコンが使えなくなりますので、段階的に生産使用を縮小して、2020年に生産ゼロとすることになりました。30年余りかけての生産終了です。

 

というわけで、2020年にはR22冷媒の生産が終わります。したがって、R22を使用しているエアコンは故障した場合に修理できないとか、冷媒の補充ができないといった事態になります。生産は終了しても在庫のR22は一定期間残りますが、値段が上がってきます。

つまり、R22冷媒を使用しているエアコンは早めの更新がお奨めです。

 

もったいないと思われず、20年以上も使われたのですから感謝の気持ちで更新してはどうでしょうか。この20年間の技術革新は素晴らしく、インバータエアコン同士でも同社同能力であればエアコンの消費電力は半分以下になっています。もし、古いエアコンが一定速度型であれば消費電力は1/3~1/4で済みます。大きなコスト削減の可能性もあります。

 

さて、R22の次に使われたのがR410A(HFC)です。銘板を見てみてください。R410Aはオゾン層を全く破壊しない画期的な冷媒でした。

但し、R410AはR22以上の温室効果があるために、地球温暖化を促進するというマイナスがありました。そこで、2000年代後半からのエアコンでは、R32という冷媒が主に使われています。R32では、R410Aから温室効果を1/3に低減することに成功しています。