数なのか、単価なのか、それが問題

「売上高=客数×客単価」です。客数を増やしにいくのか?客単価を上げにいくのか?

 

経済産業省のMETIジャーナルによれば、テーマパークの売上高が好調に伸びているのは、強気な入場料設定による客単価の上昇が原動力だそうです。2000年と2017年を比較すると、客単価が3000円も上昇しています。2017年の平均客単価は8400円(入場料等4600円)。

 

METIジャーナル2018/11/15より
METIジャーナル2018/11/15より

2010年を100とした指標で、2017年のテーマパークへの入場者数は117くらいです。

ところが、売上高は150に近いところまで伸びています。つまり、客単価が上がっているというわけです。

 

客単価は入場料等(入場料+施設利用料)と物販等(物品+飲食)に分けられます。先に書いたように2017年の平均では、入場料等が4600円、物販等が3800円となっています。特に入場料等の上昇が顕著です。

同じく2010年を100とすると、2017年は入場料等が160、物販等が135くらいです。

 

テーマパークの成功をみて、なるほど客単価を上げるのが売上高を上げるコツなんだと思っては危険です。中小サービス業の場合は、売上高は客数の増加で達成するのが王道です。

 

それは何故か?

客単価を上げる(あるいは下げる)というのは、客層を変えるということになるのです。テーマパークでも、入場料が2900円(2010年)のときと、4600円(2017年)では客層が異なります。小さな子供を連れたファミリー層にとって4600円/人はちょっと敷居が高くなってきます。しかし、外国人観光客にとっては全く問題のないコストです。実際に外国人観光客のテーマパークへの来場者数は2010年と2017年ではなんと約5倍にもなっています。

 

客層を変える(それが成功する)ということは、運営のコンセプトを変えることです。大きな資本を持って大胆に変革できるからこそチャレンジすることが可能とも言えます。

中小サービス業の場合、お店のコンセプトを変えることのメリットとデメリットをよく考えてみてください。もし、経営者が自分のコンセプトをしっかり持っていて変える気がないのであれば、客単価を上げにいく行為は大事にしてきたお客様を騙すことになるかも知れません。

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