学習曲線が教えること~生産性向上のために~

学習曲線とは累積練習量とそれによって達成できる反応時間の関係を表す曲線です。 

 

ピロリとアンダーソンの式というのがあって、これはかなり普遍的に成り立つそうです。

反応時間 RT=1.40/N^0.24 (Nは累積練習量)

 

学習曲線
学習曲線

ピロリとアンダーソンの式をエクセルでグラフにすると右のようになります。

学習量の累積が増えるほど、反応時間が短くなります。これは、仕事で言えば仕事を経験した量が増えれば増えるほど生産性が向上するということです。

 

ピロリとアンダーソンの式では、学習量が2倍になると反応時間が84.7%になります。

仕事の上では80%カーブという言葉が使われていて、仕事の経験が2倍になれば時間は80%でできるようになると言われていました。まぁ、ほぼ同じことです。

 

学習曲線がビジネスで他社に勝つために教えることは何でしょうか。

一つ目は、「先手必勝」ということです。経験を積むほどに生産性が向上するのですから、他社に先んじて経験していくことの優位性は揺るぎません。

二つ目は、「一気呵成」ということです。学習曲線の横軸が時間でなく累積経験数であることに着目します。あなたの会社が先手を取ったなら、他社が決して追いつけないところまで一気呵成に経験値を積み上げます。一方で、他社に先んじられていても逆転は可能です。一気呵成に相手の経験量を追い抜くのです。

 

学習曲線は累積学習量が増えると反応時間の短縮量が小さくなっていきます。人間には肉体的限界のほか精神的限界や技能的な限界があるので、実際にはレベルオフするときがやってきます。そのときは、組織の力を発揮させないといけません。

個人であればレベルオフしても、会社や組織ではマネジメント次第で継続的改善を続けることは可能です。それが技術革新というものです。