首都圏で100店舗ほど展開している、サミットというスーパーチェーンがあります。
スーパーマーケットは、日本全体でみるとイオンとセブン&アイの2強が席巻している状況のようです。西日本ではイオンが優勢です。山口県では、イオンと2強に続く位置にある広島が本社のイズミが覇を競っているという状況です。
さて、首都圏には2強以外にも多くのスーパーマーケットチェーンがあります。その一つがサミットです。
サミットは住友商事が長年に渡って独資(100%出資)で経営しているという点でもユニークです。
歴代の社長は、住友商事からやってきます。SUMMITという社名(店名)は、1960年代の電信ファックスの時代に、住友商事を表示するのに英語表記の最初の5文字SUMITを使っていたことからつけられたそうです。
サミットが有名になったのは、当時サミットの部長職だった安土敏が1981年に著した「小説スーパーマーケット」という本です。安土も住友商事から出向してきていたわけですが、サミットでおこなっている仕事の経験を小説にして出版したのです。
安土はその後昇進して、サミットの専務・副社長・社長を歴任します。
安土の社長時代に「小説スーパーマーケット」を原作にして、伊丹十三と宮本信子のコンビで映画化されてヒットしたのが「スーパーの女」です。1996年のことです。
サミットは、チラシ広告がユニーク(すぎる?)だということで、女性週刊誌で話題になったそうです。店頭での惣菜総選挙などの手作りイベントでも有名です。
スーパーの定番でお買い物にはポイントがつくのですが、現金での購入に限ります。(ポイントがつくクレジットカードや電子マネーがない。)
店づくりも独特で、力を入れている惣菜はオープンキッチンで調理しているところを見せています。店舗に並べた生鮮品の売れ残りを材料になんかしていないのです。イートインのスペースを大きくとったのもサミットのアイディアだったようです。
最近の店舗では「お試しください」という試食コーナーが独特です。各食材のところで試食をさせるというのではなく、いろいろな試食だけをする場所が常設されているのです。こんな
ことをすると、試食だけして実購入につながらないような気もするのですが、どうなんでしょうか?もちろん、試食コーナーに人が途切れることはありません。
大手チェーンのスーパーマーケットが増えることもありがたいのですが、地方に行くほど中堅どころの経営が苦しくなって、個性が失われていきます。日常的に頻繁に利用するスーパーマーケットですから、もっと違うともっと好いですね。