樹木は動けないのではなく、動かないという生き方を選択したのだ。
経営セミナーでしばしば出てくる警句です。「大きい会社が生き残るのではない。強い会社が生き残るのでもない。ただ、環境の変化に適応する会社だけが生き残ることができるのだ。」
ダーウィンの進化論というわけです。
以前のブログにも書いたのですが、私はこの警句がちょっと嫌いです。
本当に長く続く会社というのは、少しくらいの環境変化にいちいち適応しようとしないものです。じっくり構えて、右往左往しない会社こそが、時代を超えて生き残るように思います。
そこで、大樹のような会社をつくりましょうという提案です。ある方が言っていたのですが、「樹木は動けないのではなく、動かないという生き方を選択したのだ」そうです。
それでは、何故に樹木は動かないという生き方を選択することができたのか?というと、3つの理由があるそうです。
1つは、樹木は様々な環境に適応できる柔軟さを持っているということ。
2つは、樹木はこれまで経験していない環境に挑戦する精神を持っているということ。
3つは、樹木は環境そのものを創り出す能力を持っているということ。
樹木が成長をするのは、中心から離れた部分が分裂と分化を繰り返していくからです。環境が適しているときは分裂と分化の活動は盛んになり、環境が厳しくなると活動は抑制されます。この活動の強弱は勝手気ままにおこっているのではなく、中心細胞からの指示によって行われていることがわかっています。動かない生き方を選択するには、組織的な活動をもって環境に柔軟に適応することが必要なんです。
更に、樹木の分裂細胞はその形質を途中で変更することがあります。例えば、枝になるはずだった細胞が、葉になるように変わるような場合です。新しい環境に挑戦するには、過去にこだわっていてはいけません。例えば、種子を遠くに運んできれていた鳥や動物の種が変わったようなとき、樹木のほうが葉を大きくしたり、枝を短くしたり、その形態を変えて鳥や動物の利便性を高めることもよくあります。
そして、最後に樹木は自らが生き続けることによって環境そのものを創り出します。文字通り、私たちが生きることができる地球環境は樹木が提供しています。
経営者の皆様、大樹のような会社をつくることを目指して欲しいと思います。