2020東京五輪の水不足対策できているか?

8月上旬の台風接近で関東の水がめである利根川水系のダム貯水量は一段落しています。

 

西日本は豪雨災害に見舞われながらも関東地方は少雨傾向が続きました。8月25日現在の気象庁の季節予報では、日本列島全体は降水量多めですが、関東だけは平年並みの予報です。オリンピックに向けては暑熱対策に加えて渇水対策も重要です。

 

上のグラフが利根川ダム統合管理事務所のウェブサイトにある、利根川水系8ダムの貯水量を示したグラフです。赤線が今年のデータですが、7月末の状況はかなり厳しい印象でした。

その後、8月に入って台風が立て続けに接近したことで、水位は持ち直してきました。点線が平均値ですから、8月24日現在はおよそ平均ということです。

比較に1994年(平成6年)の大渇水が青線、2001年渇水が緑線でグラフを載せています。太線の部分が取水制限をおこなった期間です。

 

関東地方が降水量が少ないわけではないのですが、首都圏への人口集中は進んでいます。このため、1人当たりの水資源賦在量は平均年で400㎥/人年、渇水年では250㎥/人年です。

つまり、1人当たりでみれば中東のカタールやアラブ首長国連邦のような砂漠の国よりも東京の水資源は少ないということです。まさに東京砂漠です。

日本人1人が1年間に生活用水として使う水が130㎥(1日350ℓ)です。農業用水や工業用水にも水は必要ですから、余裕がないことが実感できると思います。

 

そこで、切り札は地下水の再利用なんだろうと思います。かつて、高度成長期には増え続ける工業用水や生活用水を賄うために大量の地下水を汲み上げました。その結果、日本全国で地盤沈下がおこりました。典型七公害の一つにあげられています。

 

地盤沈下は一度起こると復旧が容易ではないという事情があって、行政は非常に厳しく規制をしています。地下水揚水量は年々減っていて、東京都区部では日量4万㎥を下回ってきています。関東の地下水資源活用の準備をする必要を感じます。

また、実家が先月の水害で長期間断水した経験から、地方でも地下水資源を利活用できることは有益でしょう。