北九州市に本社があるデパート井筒屋が5店舗のうち3店舗を閉店すると発表しました。
井筒屋に残るのは、小倉本店と山口店の2店舗だけということになります。宇部市にとっても、デパートが無くなるというのはダメージにはなりそうです。もっとも、心理的に寂しいとか残念だという感覚だけで、実際の買い物で凄く困るわけでもないのかも知れません。
閉じることになった3店舗のうち、小倉駅前のコレットと黒崎店は、経営破綻した小倉そごうと黒崎そごうを引き継いだものです。宇部店も時代を遡れば、”ちまきや”でした。
3店舗ともに、利益は出していなかったということですから、このタイミングでの閉鎖は、経営判断としては正しいような気がします。
井筒屋の直近の帳簿上純資産は102億円で、3店閉店の伴う特別損失計上見込が34億円だそうです。これを見ても、決断の最後のチャンスと言ってもいいタイミングでしょう。経営資源をジリ貧の3店舗に細かく投入していくよりも、小倉本店に集中させるというのは仕方ないですね。
小倉駅前のコレットは、そごうや伊勢丹の時代も含めてあまり行ったことがないので、思い入れがありません。宇部店は地元ですから、年に数回は行くことがあります。たいしたユーザーではないですね。
一番、思いがあるのは黒崎店です。戸畑の学生だったときに、黒崎そごうとして開店しました。「まるで宇宙戦艦!」という、ショッキングなコピーそのままに、当時としては西日本最大規模の店舗でした。オープニングイベントの日に、友人たちと出かけました。
当時の黒崎の活気はそれは大したものでした。北九州市は小倉と黒崎の複眼都市になるという実感があったものです。その後の黒崎衰退の歴史は、再開発計画の失敗という側面もありそうですが、一極集中が進みやすい日本社会の象徴です。
さて、井筒屋の3店舗が撤退した後には、それぞれ空き店舗の空間が残る建物が残るわけです。代わりになる店舗が入ったり、何か他の用途に転用できればいいのですが、どうなるでしょうか?それぞれに興味深いところです。