シニアでも創業資金調達はできないわけじゃない

シニア創業とは、一般的に55歳以上の方が新たな事業をはじめることを言います。

 

シニア創業の相談をかなり受けます。私たちのような士業での創業では資金調達はほとんど必要ないのですが、実業での創業では資金が必要になります。シニアでも融資を受けることができないというわけではありません。

 

シニア起業
シニア起業

創業資金の融資を受ける場合には、審査に通る必要があります。若者と違って、残りの人生の期間が限られているので、審査は厳しくなります。

 

先ずは、健康状態です。

起業すると会社が守ってくれるということはありません。不健康な人、不健康な生活(過度な飲酒や喫煙など)を続けている人、不健康そうに見える人(過度な肥満あるいは痩身)には融資しにくいです。

理論的にきちんと話ができるといったことで、頭の健康状態もチェックされます。認知症の有病率は65歳で2%、70歳で5%、75歳で10%、80歳で15%、85歳で20%くらいです。私だけは、ずっと大丈夫ってことはないです。

 

次は、自己資金です。創業資金の大半を融資で得るというのは若者でも難しいです。シニアの場合は、それまでの人生での貯えがあるはずですし、先の人生が短いのでなおさらです。一般には半分が自己資金で半分が融資、最大でも自己資金の2倍の融資が限度と考えられます。

 

尚、あまり知られていないですが、個人信用情報は必ずチェックされます。個人の銀行取引・ローン・クレジットカードの情報は、全国銀行個人情報センター、日本信用情報機構、㈱シー・アイ・シーの3社が提携して収集しています。例えば、ローンを組むときには、署名押印した書類に個人情報を収集することに同意するという記述があったはずです。

☞ 全国銀行個人情報センター だけリンク貼っておきます。3者ともに、本人であれば情報開示を請求できますから、気になる方は開示を受けてみましょう(手数料は約1000円)。

 

3番目は、経験とスキルです。起業する仕事に対して、十分な経験があり、腕があるというのは大事です。ラーメン屋を開くといっても、ラーメン好きでよく食べ歩いたでは経験になりません。また、大手ラーメン店で何年か働いていたとしても、厨房で調理だけをしていて、仕入や経理、アルバイトのシフトなどには関わっていなかったのなら、少し心配です。

 

4番目は、創業計画と資金の使い道です。儲かる計画なのかは大事ですし、融資した資金を何に使うのかは大事なポイントです。設備投資なのか、什器備品なのか、改装や内装費なのか、仕入資金なのか、その他の運転資金なのか、仕分けをすることが大事です。

 

そして、最後に「借りた金は返す」「返せない金は借りない」というのが、最も大事です。シニアの場合は、「借りた金は・・歳までに返す」「・・歳までに返せない金は借りない」と区切って考えないといけません。ここが思案のしどころです。

 

☞ シニア起業 : 会社を辞める、その前に・・。