「太った豚になるより、痩せたソクラテスになれ」という警句があります。
東大総長の卒業式での式辞として誤って伝わったものだそうです。実際のソクラテスは、痩せてなんかおらず、ムキムキの兵士で、際立って頑丈で健康であり、最終的に死刑に処せられるのですが当時としては超長命な70歳の生涯を送っています。
別に痩せたソクラテスなんかになることはないですね。太ったソクラテスのほうがいいですね。
ソクラテスの生涯はよくわかっていないようですが、人物年表によれば紀元前469年にアテネに生まれています。父は石工で、母は助産婦だったそうです。
40歳頃までは重装歩兵として従軍しています。職業軍人だったようです。その後、哲学者として成功し、「無知の知」を説くのが55歳の頃です。プラトンをはじめとして多くの弟子を育てて、処刑されたのが70歳です。かなり肥えていて、冬でも薄着で過ごし、食欲旺盛だったようです。彫像を見ても、決して痩せてはいませんし、いかつい顔をしています。
なんでソクラテスなのか?というと、昨日の多様性と格差で「妬みは魂の腐敗である」というソクラテスの言葉を思い出したからです。
ソクラテスには哲学者や倫理学者として、多くの名言が残っているのですが、学者らしくない言葉もあります。
「我々が皆自分の不幸を持ち寄って並べ、それを平等に分けようとしたら、ほとんどの人が今自分が受けている不幸の方がいいと言って、立ち去るであろう。」
「いかに多くの富を有するか、自慢する者が居ても、いかに使うが分かるまで、彼を、誉めてはならない。」
そして、ソクラテスの妻は悪妻として名高いクサンティッペです。
「とにかく結婚しなさい。良い妻を得れば君は幸せになれるし、悪い妻であれば私のように哲学者になれる」
男性の生涯未婚率23.4%(女性は14.1%)という日本社会の実状は、生産性とは言いませんが、少し変わるといいなぁと思います。