日本はほんの少し前に1億総中流とかいって、同質性の高い国で、格差も小さかったです。
近年は日本人の多様性が際立って高くなってきました。ニュースをにぎわすように、外国人居住者が全人口の2%近くになり、LGBTsの人も増えています。結婚・離婚や出産・子育て、働き方や学び方、老い方や死に方まで、とても多様になっています。
多様性が社会に活力を与えるというのは確かです。日本の人口規模は急速に縮小していますから、そのなかで多様性を発揮する人が増えることは、(分母が小さくなって分子が大きくなるわけですから)社会の多様性が一気に加速度をつけて進むことになります。
多様性が進むということは、生き方が一様ではないということですから、格差が大きくなることは必然です。つまり、多様性の中には格差が内在するわけですから、それも認めなければなりません。
しかし、日本人の心は富めるものに嫉妬したり、格差の拡大を必要以上に恐れるところがあります。政治家の発言やマスコミの論調でも、格差拡大が悪であるというものが多くみられます。多様性は広く認めるべきだと言いながらもです。
これまでの日本は、欧米の先進国どころかアジアやアメリカの中進国と比べても多様性の少ない社会でした。今後は、急速に多様性が増していきます。これは、格差の拡大や、社会の階層化、不平等を当然に伴うわけです。これも含めて、多様性の増加による生産性向上の恵みを得るのだという理解が必要だと思います。