1町が約1ha(ヘクタール)で助かっています

農業関係の支援をすると、1町とか1反とかの単位で話がすすみます。

 

農業に従事したことがない身としては、少々戸惑うのですが、1町≒1haというのは大変たすかります。ここを基準にして、頭の中で変換して単収の目安にしたりしています。

 

秋芳町の棚田
秋芳町の棚田

日本に限らず度量衡の単位は人間の身体の長さを基準にして考えられたものが多いです。

上代以前の日本の長さの基本単位は、一尺(ひとさか)で、指を開いて物に当てたときの親指の先から人差し指の先までの長さでした。現在の日本人だと、平均17㎝ですが、古代人は少し小さいので15㎝くらいです。

一寸(ひとき)は、手を握ったとき(グーにしたとき)の人差し指から小指までの幅で、8㎝くらいになって一尺(ひとさか)の約半分です。

 

当然ながら手の大きさは人によって違うので、だんだん困るようになってきます。そこで、大宝律令(701年)のなかで単位の統一をすることになりました。このとき、唐の度量衡の基準が朝鮮半島を通って伝わってきていたので、これを参考にしました。

 

そのときに、唐にならって1尺が約30㎝となったわけです。実は、中国でもそれよりずっと昔の1尺は約15㎝くらいだったのですが、徐々に長くなっていて約2倍にまでなっていたのです。この理由はよくわかっていないのですが、商売や徴税の駆け引きの中で有利になるようにちょっとづつ基準を伸ばしていったようです。

 

1尺を基準にして、1/10が1寸で10倍が1丈です。

そして、ちょっとややこしいのですが1歩を6尺としました。約180㎝です。

この1歩は、右足左足の1歩(現在風では2歩)のことです。普通の歩き方だと130~140㎝と思いますが、歩測するには大股のほうが正確なんでしょうね。

そして、縦横がそれぞれ1歩の正方形の面積も1歩(1.8×1.8≒3.3㎡)と呼びました。同じ1歩だと間違えるので、日本では普通は1坪と言います。

 

その後、豊臣秀吉が太閤検地をおこなったときに、それまでバラバラだった農地の面積の表し方を、30歩を1畝、300歩を1反(段)、3000歩を1町と決めました。25歩で1畝とか、35歩で1畝という地域もあったのですが、秀吉さんが30としてくれたのが幸運です。

これによって、1町は3.3×3000≒10,000㎡ということになりました。偶然なんですが、1町が1haとほぼ同じになったわけです。

私たちの生活や仕事がとても分かりやすく、仕事もしやすくなりました。ちょっと幸いなことですね。