相変わらず太陽は強烈です。ソーラーパネルがどんどん発電しているかと思うと間違いです。
太陽光発電に使われるパネルは、大きなダイオードです。ダイオードとは、半導体を組み合わせた整流素子のことで、簡単に言えば一方向にしか電流が流れないような働きをします。太陽光による起電力で発生した電子が一方向に流れることで、電力が発生します。
ややこしい理屈はともかく、半導体の価電子が光によって励起されるのは、温度が低いときほど活発なので、ソーラーパネルは低温ほど発電量が大きく、高温になるほど発電量は下がります。
ソーラーパネルの温度特性は、通常使用の温度領域(-20℃~80℃くらい)では、直線的です。10年以上前のパネルでは1℃につき出力が0.5%変動するようなものもあります。
最近の実装された国産パネルを評価機関が測定したところ、1℃で約0.35%の変動が平均的だそうです。
猛暑で太陽がギラギラ照っていると、ソーラーパネルがどんどん発電してくれているようで、頼もしい限りなんですが、実は発電量が下がっています。
気温が35℃を記録するような場合には、パネルの温度は70℃くらいです。パネルのカタログ出力は温度が25℃のときですから、(70-25)×0.35=16%くらいの出力ダウンです。
もっと暑くなったり、古い海外製のパネルを使っている場合だと、出力ダウンはもっと大きくなります。使用する側での省エネ行動は、やっぱり大事です。
もっとも、この温度特性の問題は冬場の厳寒期にもあります。逆にすごく寒くて、パネルの温度が氷点下20℃になれば、出力が16%上がってしまうからです。
もちろん、冬場は太陽の日射角度が浅くなるので、実際には出力がそこまで上がることはないのですが、設備の設計ではこの分の余裕を見ておくことが必要です。