ちょっと前にも書きましたが、NHKテレビのチコちゃんの決めゼリフです。
NHKの「チコちゃんに叱られる!!」は、金曜日午後8時前からの本放送で視聴率10%を獲得したうえで、土曜日午前8時15分からの再放送が視聴率12%(最高13.5%)を叩き出すという、超人気番組です。
番組の内容は極めてシンプルです。世間の人が一般常識として知ってはいるが、真の原因や歴史、事情などはぼんやりとしか知らないような事柄をチコちゃんが指摘して、ゲストが答える。答えが的外れだと、CG人形のチコちゃんが「ぼーっと生きてんじゃねーよ!!」と怒るというもの。
まぁ、よくあるうんちく番組の一つなんですが、とても人気が高いのです。
人気の原因はいろいろありそうで、ビジネス研修で分析の課題にしたいくらいです。
先ず、NHKの番組なのでCMが無いというのは大きな要素です。情報うんちく系?の番組は、たいていの場合、続きというか謎解きはCMの後で・・となります。CMを見る気のない私なんぞは、チャンネルを変えてしまって、答えを知らないままで終わることがままあります。
次に、テーマそのものの良し悪しや、解説の適格さというのもありますが、これは標準的かな?と思います。素朴な疑問といっても、まぁ何となく薄っすら知っているとかってレベルのテーマです。ゲストの反応も、専門家による解説も、普通ですね。
ということで、人気の最大の要因はチコちゃんというキャラクター設定でしょう。5歳の女の子という無茶苦茶なもので、声は55歳の強面キャラの木村祐一さんです。セリフはほとんどアドリブのようで、「つまんねー奴だな~?!」とか「アホみたいに生きてんじゃねーよ!!」とか、毒舌を吐くわけです。この意外性というか、ミスマッチが受けているわけです。
ビジネスにおいても、この意外性というのは大事です。例えば、ある会社の商品を検討していて結構大きな取引になるかも知れないとします。そのときに、60歳くらいで様子のいい技術部長が華麗にプレゼンしてくださった場合(これが普通です)と、実は開発責任者は彼なんですと紹介された30歳前の若い技術者が出てきて訥々と説明してくれた場合を考えます。
前者の場合は最初から商品への期待が高まっていますが、後者なら大丈夫かいな?と期待値が一瞬下がります。しかし、実際の商品が優れたものであれば、期待値との差が大きい分だけ、意外性が高まり、心理的な評価は上がるでしょう。
現実のビジネスでは意思決定の過程は複雑ですが、意外性は重要な要素です。