お客様は神様、従業員も神様

三波春夫さんの名言「お客様は神様です」はとても有名なフレーズです。

 

三波春夫さんは『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです』と言っています。(オフィシャルウェブサイト)

 

三波春夫
三波春夫

「お客様は神様です」というフレーズは、少し誤解されているところもありますが、三波さんの考えはプロフェッショナルとして揺るぎないですね。

 

この言葉が生まれたのは、ほんの偶然だそうです。昭和36年に山陰の小さな町での公演で司会の宮尾たかしさんが予定なく「三波さんにとってお客様とは・・?」と尋ねたときに、つい三波さんが「お客様は神様です」応えたのだそうです。

これを受けて、宮尾さんが咄嗟に、「なるほど、そう言われれば、お米を作る神様もいらっしゃる。ナスやキュウリを作る神様も、織物を作る織姫様も、あそこには子供を抱いてる慈母観音様、なかにゃうるさい山の神・・・・・・」と返したものですから、場内大爆笑となりました。

これ以降の山陰巡業で、主催者から「お客様は神様」やってくださいよ、と頼まれたことで、このフレーズが定着したそうです。

 

会社の経営でも「お客様は神様」です。真摯に良い考えを良い品物(サービス)として、お客様に届けるには、三波さんと同じ覚悟が必要ですね。一方で、「従業員も神様」です。

 

QCでは「次工程はお客様」という考えがあります。この反対で「前工程は神様」と言ったりします。ちょっとややこしいですが、自工程でつくった仕掛品は次工程に送られます。プロフェッショナルとしては、きちんと自工程完結させて次工程に送ります。あたかもお客様に届けるようにです。一方で、前工程から送られてくる仕掛品は、自工程でつくることができないものです。できないことをしてもらうのですから、前工程は神様というわけです。

 

同じように、会社経営者にとって「従業員は神様」です。経営は従業員がなければ成り立ちません。従業員は経営者が成し遂げることができないことをおこないます。

経営者にとって、従業員が働くのは当たり前のことです。従業員が地道に当たり前のことを当たり前におこなうから会社は成立しています。しかし、当たり前のことだから当たり前と思っているわけではありません。いつも感謝しています。