サードプレイス(第三の場)は、都市社会学者のオルデンバーグが提唱した概念です。
ファーストプレイスは家庭で、セカンドプレイスは職場や学校です。サードプレイスは、そのどちらでもなく、特に行く必要はないけれど、行きたくなる場所を言います。
スターバックスコーヒーが標榜しているコンセプトが”お客様のサードプレイスになる”というものです。
私なんぞも、スタバのコーヒーは結構好きなのでちょくちょく立ち寄ります。ただ、サードプレイスかと言われると、ちょっと違うような気がします。
オルデンバーグが示しているサードプレイスの条件は次のようなものです。
・コストが安いかタダ。
・行かなくてもいいが、いつ行ってもいい。
・客同士は顔見知りだけど、名前は知らない。
・1人で入って、ここちよい空間がある。
・全く知らない人には入りにくい雰囲気がある。
・割と昔からある。
どんな人にも、サードプレイスは必要なんだそうです。確かに、家庭と職場の往復だけでは、精神的に少しづつしんどくなるかも知れません。
そこで、時代とともにいろいろなサードプレイスが誕生しています。写真で貼り付けたのは、シガーバーです。ここをサードプレイスとしているなら、カッコいいですね。今では少なくなったジャズ喫茶なんかも似たような空間です。
庶民的なイメージでは、赤ちょうちんのカウンターなどです。スナックとなると、コストが安いという条件に当てはまらなくなりそうです。
仕事人間のなかには、会社のビルの喫煙所がサードプレイスなんて人もいるかも知れませんが、これはやめたほうがいいです。
一時期は、高齢者には病院なんていうサードプレイスもありました。最近見ないわねぇ?病気かしら?って笑い話です。まぁ、この場合はセカンドプレイスなのかも知れませんが・・
これに代わって、最近では、スポーツジムが高齢世代のサードプレイスになっています。
碁会所や将棋倶楽部なんかも該当します。習い事や趣味は格好のサードプレイスになり得ますが、人間関係があまり濃密にならないような注意が必要です。また、鉄道ファンのなかには、乗り鉄と言われる人も多いですが、交通機関は意外と優れたサードプレイスかも知れません。
いずれにしても、人にはサードプレイスが必要です。逆に言えば、優れたサードプレイスを提供することができればビジネスチャンスとなります。ちょっと、考えてみてはどうでしょう。