「生産性=アウトプット÷インプット」 生産性向上はインプット削減だけではない。
アウトプットというのは、一般には「付加価値額」で表されます。インプットというのは、ヒト・モノ・カネなど「経営資源」のことです。
日本の企業はインプットの削減は上手だが、アウトプットの拡大が苦手と言われます。
インプットの削減には、現場のカイゼンが欠かせません。
より小さなエネルギーで、より少ない機械で、より短い時間で、より少ない人材で・・・・。細かく分析することによって、1kWh、1g、1秒を改善していくと、最終的には大きな量のインプットを削減することができます。
もちろん、インプットが減っても、それに応じてアウトプットが減るのでは意味がありません。生産活動においては、アウトプットは絶対に減らさないことが大切です。
しかし、逆にインプットが増えても、その割合以上にアウトプットも増えるなら、やはり生産性は向上したことになります。
但し、中小企業の場合、インプットの削減は実は難しいのです。先に、日本企業はインプット削減が上手だといったのは、ほぼ大企業に限ったことです。
例えば、10人が働いている職場は1日に80人工がインプットです。10%のインプット削減を果たせば、職場は9人で回るようになって、1人は別の職場に移動します。
ところが、全従業員が5人の中小企業で、10%の改善を果たしてもたいていは、人数は5人のままです。0.5人という人数を使う仕事が無いわけです。頑張って4人で4.5人分の仕事をこなすのも、長年の職場風土に引きずられるので、すぐには難しいでしょう。
そこで、中小企業が目指す生産性向上のカギは、アウトプットを増やすことです。商品やサービスの付加価値を向上させるようにしたいものです。
商品の開発や改良を進めて、もっと良いものにして、もっと高い値段で買ってもらうようにしたいです。大手企業とインプット(=製造コスト)で競争しても、おいそれとは勝てません。
サービス業でも同じで、一人ひとりがスキルを究めて、顧客満足度を高めていくことで、選ばれる存在になりたいものです。小規模店が、コンビニやファーストフードチェーンに顧客満足で負けるようなら生き残りは難しいでしょう。
しっかりした目標を持って、アウトプットの増加に取り組みたいものです。