フランスの思想家、ヴォルテールの言葉です。
「Originality is nothing but judicious imitation.」
ヴォルテールは数々の名言を残している18世紀フランスの思想であり、哲学者です。
もっとも有名なのは、「私はあなたの意見には反対だが,あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る。」でしょう。民主主義の基本原理を端的に表しています。
しかし、「私はあなたの意見には賛成だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて奪う。」という頓珍漢なことがしばしば起こっているのも事実です。
さて、冒頭の「独創力とは賢明な模倣に他ならない」も有名です。何かの技術を習得したり、アイディアを生んだりするのは、マネをすることから始まります。
但し、単純な模倣はパクリです。賢明な模倣=創造的な模倣をおこなわないといけません。
想像的な模倣の典型はバイオミミクリーです。
☞ 2015/07/27 バイオミミクリー:最先端を開発する
サメのウロコの形状をマネて高速水着が、蛾の目のの構造をマネて無反射ディスプレイが、ザトウクジラのひれの形をマネて風力発電の羽根が、フクロウの羽根の形状をマネてパンタグラフが開発されました。
ビジネスでも、賢くマネることが成功に結びつきます。
ユニクロ(ファーストリテイリング)とセブンイレブンのビジネスモデルは相互にマネているように思えます。製造を自前で持たないSPAの成功には、ITとネットワークを利用して生産量を絞り込み、小まめな配送で欠品を防ぎ、売れ残り在庫も出しません。
プリンターやコピーで、キャノンが成功したのは機械を安価に提供して、トナーなど消耗品で儲けるビジネスモデルです。これはジレットモデルといって、髭剃りのジレットが本体を安価に売って替え刃で利益を得たものをマネたわけです。
このキャノンのビジネスモデルは、スマホのゲームアプリなどでマネられています。
同業者のマネをそのまましてはいけません。自社のビジネスとは、距離のある会社や組織の事業を研究して、それを改良して自社に活かせないかと考えるのがいいです。