とかく話題になっている議事録や面談記録。その書き方のポイントを載せておきます。
一般的に、大事なことは、「要点を簡潔に書く」ということです。
会話の全てを記録するのは、録音や速記の役割です。会議によっては、その録音や速記を見ながら全ての発言を議事録に残す場合もあります。例えば、国会の本会議や委員会などです。
じゃあ録音や速記そのものを議事録にしたらいいようですが、録音であれば、早聞きをしても、2時間の会議なら聞くのに1時間かかります。速記は素早く読めるようですが、特殊な訓練が必要です。
ということで、会社全体の仕事の効率を考えると紙の議事録が優ります。
議事録では、議事の経過はできるだけ正確に記載し、それでいて要領よくまとめて簡潔であることが重要です。しかし、両者を同時に達成するのはとても難しいことです。
そこで、会議や面談の主要部分だけを書くということに気を付けます。枝葉の議論を書き過ぎるとポイントがぼやけてしまいます。また、雑談もありますし、ここだけの話もあります。もちろん、これを議事録に残す必要はありません。
「要領よく簡潔に」は、その議事録や面談記録の読み手が誰であるかを考えるのが重要です。読み手は、そのときどきで変わりますから、事前に確認しておきます。
読み手が社長。つまり上司を経由して経営層へと提出される議事録などでは、自ずとそれに合った書き方があります。事細かい経緯を書くのではなく、決定事項や今後の進み方について絞って書きます。A4版1枚でまとめるようなことが多いでしょう。
一方で、読み手が自部門の仲間であるような場合であれば、議事録はコミュニケーションシートという性格が強まります。相手の発言を細かく書き込み、そのときの雰囲気や過去の経緯など、その場の発言以外の情報で適切に補足して、その後の活動を容易にします。
また、相手によって読みやすい文書は異なります。経営層が読みやすいのは日本語だけで書かれた文章で、同じ部署の仲間が読みやすいのはフローチャートや図表かも知れません。
ポイントを太字で書いたりするのも、人によっては読みづらくて嫌いという場合もあります。相手の好みを忖度して、提出したいところです。
最後に議事録は、一定の書式で書くのがお奨めです。
議事録作成の年月日と作成者の氏名を明記し、提出先の役職氏名を書きます。議題、開催日時と場所、出席者の役職氏名を記載します。これに続いて議題の内容と会議決定事項、今後のアクションなどを記載します。決定事項などは、項目順に箇条書きにします
議事録や面談記録を書くのは、録音ではなくて一種の編集作業です。材料となる議論や会話を分析して、文書(つまり物語=ストーリー)に組み立てるのが大切です。
こういう観点から、昨日公開された愛媛県の面談記録はまずまず優れた報告書です。
獣医学部の新設という本来妨げてはならない行為を、獣医師会や既存の獣医系学部を持つ私立大学、更に文部科学省などの官僚が強いスクラムを組んで不法に邪魔をし続けていた。
その岩盤を打ち破るために、愛媛県、今治市、加計学園が、取りうる限りの手練手管を使おうとしていたことが、よくわかります。
わけのわからない仮定をおかないで、素直に読めばいいことです。