2016年度温室効果ガス排出量は2013年度比▲7.3%

日本の国際公約は、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で26%の削減です。

 

温室効果ガス排出量
温室効果ガス排出量

2016 年度の日本の温室効果ガスの総排出量は、13億0700万トンでした。

前年度(2015年度)と比較して1600万トン減少しました。1.2%減少です。

 

国際的に約束している2013年度との比較では1億0300万トン減少して、7.3%の減少です。

 

 

なんとなく、3年間で7.3%も減少したのだから順調に削減できているような印象があります。国際約束は17年間で26%削減だから、達成確実と誤解しそうです。

しかし、基準とした2013年はグラフでもわかるように東日本震災以降の突出して温室効果ガス排出量の多い年です。また、仮に前年比1.2%減を残りの14年間続けても26%削減にはなりません(22%弱)から、温室効果ガス削減の努力を積み重ねることは大事です。

 

エネルギー使用部門毎の実績は以下のようになります。

1)工場などの産業部門からの排出は前年比3.5%減(2013年度比10.5%減)です。

確かに省エネが進んでいますが、日本の温室効果ガスの1/3以上を排出する部門ですから、一層の取り組みが求められます。

 

2)運輸部門からの排出は前年比0.9%減(2013年度比3.8%減)にとどまっています。

エコカーなどが普及していますが、好景気で輸送量が増えていることもあって、なかなか成果が見えません。鉄道・航空機・船舶などの省エネ化も一層進めなければなりません。

 

3)商業・サービス・オフィスなど業務部門からの排出は前年比1.7%減(2013年度比10.4%減)です。この部門は照明と空調が占める割合が大きいので、照明のLED化と代替フロンの生産終了を受けての空調更新が進んで減少幅がかさ上げされています。

 

4)家庭部門からの排出は前年比0.7%増加(2013年度比8.7%減)と増加に転じました。猛暑厳冬という気象条件が影響して、特に夏季の冷房需要が大きくなりました。家庭の省エネも大きな課題です。

 

もちろん、一つの決め手は原子力発電の再稼働であることは確かです。現実的で世界も日本に期待していることですが、情緒的には難しいでしょう。だからといって、火力発電所を新設していくのは良策ではないですし、国際的にも非難されます。

省エネ対策を一層推進して、ネガワット発電所(節電所)を列島につくり続けることが大切です。