すごく利益を上げているお店の方と話しました。宗教法人と一緒。信者がいるそうです。
顧客は8段ある進化の階段を一歩ずつ昇っていって、最後は信者になるということです。
顧客の進化の8段階は以下です。
1段目・・見込み客
2段目・・新規顧客(一見さん)
3段目・・リピーター(顧客)
4段目・・クライアント(依頼者・得意先)
5段目・・サポーター(支援者)
6段目・・代弁者・吹聴者
7段目・・パートナー・協働者・仲間
8段目・・信者
マーケティングとは、顧客に進化の階段を昇っていただくことです。
一般には、顧客が進化するには「顧客満足」を与え続けるということが必要です。この説明は、納得できます。
ところが、実際には、顧客が階段を昇る動機付けは必ずしも”顧客満足”ではないことです。
顧客満足の反対側に、いわゆるアンチ顧客志向というマーケティング手法があります。
最も有名なのが、エルメスのバーキンというカバンです。
エルメスの社長が、有名な歌手のバーキン(といっても私は知りませんが)にちなんで製作したカバンです。無茶苦茶な値段で、数百万円とか一千万円とかします。セレブにしか売らないと明言していて、順番待ちリストが長々とあるそうです。
数百万円のカバンを喜んで買うのは、まさに信者だからなんでしょうね。実用的な意味があるわけではなさそうですし、恐らくは使わずに自宅に飾って眺めているだけでしょう。
子供が小学生のころには年に何度も、気軽に広島市民球場に足を運んでいました。当時は、小学生は年間数千円で何度でも入場できました。コスパというか顧客満足は高かったです。
今や、マツダスタジアムのチケットはかなり努力しないと手に入りません。それでも、赤い信者さんが毎夜毎夜集まってきます。
2005年にスティーブン・ブラウンが「ポストモダン・マーケティング」という本を出しました。副題が”顧客志向は捨ててしまえ”というものです。
『成功する売り手企業は、顧客をからかい・じらし・苦しめなければならない。
顧客をないがしろにすることによってのみ、顧客を魅了することができるからだ。』
いかがでしょうか。この戦略を採用する勇気がありますか?