最新の平均寿命は、女性87.14歳・男性80.98歳ですから、6.16歳の差があります。
一般的に男女の寿命の差は、男性ホルモンと女性ホルモンの差だと言われています。
次のような事実が確認されています。
子供の死亡率には男女差がほとんどないが、思春期以降に男性の死亡率が上がる。男性ホルモンが活発になると攻撃的になって事故などで亡くなる人が増える。
男性ホルモンは悪玉コレステロールの蓄積を促し、心臓病リスクが高い。逆に女性ホルモンは心臓病リスクを下げる。閉経後の女性は心臓病に罹る確率が男性並みに上がる。
去勢した男性の死亡率は女性並みに下がる。
しかし、男女の寿命の差は主に社会的な要因ではないかという説もあります。
右に、日本の平均寿命の推移を調べて載せてみました。
日本女性は世界一の長寿なのですが、男女の差は2000年の6.86歳から2016年には6.16歳と0.7歳縮まっています。
男女比では91.9%が92.9%まで1ポイント下がりました。
これは、女性の社会的な役割が増加したことが要因と考えられます。
世界の国々をみると、ロシアが男女の寿命差が大きいことで知られています。女性が77歳・男性が66.5歳で差が10.5歳。男女比が86%くらいです。
主要国で男女差が日本より大きいのは、ハンガリー・ルーマニアなど東欧、ブラジル・アルゼンチンなど南米・フィリピン・タイ、南北朝鮮などです。
逆に日本より男女差が小さいのは、アフリカ諸国・中東諸国・インドやネパールなどの途上国と、欧米の先進国です。
日本でも江戸時代の男女の寿命には差が無かった(あるいは男性のほうが長命だった)ことがわかっていますので、途上国の男女差が小さいのは納得です。
一方、先進国といっても結構差があります。EU加盟28か国を男女比が小さいほうから並べてみると次のようになります。
上位5か国:オランダ・イギリス・スウェーデン・デンマーク・マルタ
次位5か国:キプロス・アイルランド・ギリシャ・ドイツ・イタリア
中位国:ルクセンブルク・ベルギー・オーストリア・スペイン・ポルトガル・チェコ・スロベニア・クロアチア
下次5か国:フィンランド・フランス・スロバキア・ブルガリア・ハンガリー・【日本】
下位5か国:ルーマニア・ポーランド・ラトビア・エストニア・リトアニア
やはり、女性の社会進出が進んだ国ほど男女差が小さくなっているような気がしませんか?
社会が発展するにつれて、一旦男女差は拡大して、社会が成熟(男女均等)になるにつれて性差が縮まるということのようです。