キタシロサイのスーダンが亡くなる~最後の雄~

キタシロサイのオスはスーダン1頭、メスはスーダンの娘と孫の2頭が生き残っていました。

 

キタシロサイのスーダン
キタシロサイのスーダン

サイ科には、クロサイ属とシロサイ属があって、シロサイ属はシロサイ種ひとつです。シロサイ種にはミナミシロサイとキタシロサイという二つの亜種があります。

 

スーダンが45歳の天寿を全うしたことで、キタシロサイのオスがいなくなりました。メス2頭だけになったので、近い将来に絶滅することになりそうです。

 

亜種の場合は、交配できるケースもできないケースもありますが、キタシロサイとミナミシロサイの間では人工授精が試みられても失敗ししていたようですから、できないようです。

 

ちなみに、ミナミシロサイも角を目的に乱獲されて絶滅の危機(野生個体が100頭を切った時期もあったとか)にありましたが、現在は2万頭を超えるほどに回復しています。レッドリストでも絶滅危惧種のカテゴリーから外れて、「準絶滅危惧種」に分類されています。

 

キタシロサイの絶滅は、角の乱獲(工芸品になる以外に薬として利用された)以外に、生息域である中部アフリカの政情不安や、人口増による農地化など、多くの要因があります。いずれにしても、人間の活動によって絶滅することになったわけです。

 

あらゆる生物種では、毎日10種以上が絶滅しているという現実があります。多くは植物とか昆虫とか魚とか、あまり目につきません。

一方で、キタシロサイのような哺乳類(特に大型哺乳類)の絶滅は注目されます。言葉は悪いかも知れませんが、この機会に多様な生物種の保全についての意識を高めていってもらえたらスーダンも成仏できると思います。