中小企業でも、異なる事業を子会社や関連会社をつくっておこなうことはよくあります。
事業を拡大するために、異業種に参入するのはよくあることです。
最近は中小企業の後継者難によって、他の中小企業がその企業を譲り受けて子会社にするケースもしばしばあります。
ほかに、会社の機能の一部を切り出して子会社に移管することもあります。これも新たな事業の創出やグループの事業拡大につながる手法です。
ところが、中小企業が企業グループを形成した際に、グループ全体の事業活動を評価する連結財務諸表をつくっていないケースが多いのです。金融機関など企業の外部にいる利害関係者に対する情報開示ができない(あるいは、しない)というだけならいいのですが、経営する側の人が自分のグループのことを知らない(あるいは、知ることができない)という状況になっています。
お父さんが親会社の社長で、長男が子会社A、次男が子会社B・・といった形のグループは結構多いです。ときどき実家のリビングで顔を合わせているから安心しているのでしょうか。
この状態を長く続けていると、非常に危険です。親会社も子会社も、見かけ上は利益が出ているようでも、足してみると赤字だったようことがあり得ます。連結決算をおこなうことは、とても大切です。
連結決算の第一歩は、決算日と会計期間を親会社と同じにすることです。そもそも、何故かグループ会社の決算日というのはしばしば異なります。譲り受けした会社の決算日を変えていないということもあるかも知れません。
しかし、決算日を合わせないと、連結会計は非常にややこしくなります。(逆に言えば、誤魔化しやすいとも言えますが・・。)
連結の手順は、最初に親会社の投資と子会社の資本を相殺します。これは当たり前ですね。
次に、親会社と子会社の間の取引を乱暴に言えばなかったものにします。これは、一方が売って(販売)、一方が買った(仕入)のですから、連結すれば消去されます。
同じように、グループ内の債権債務もなかったことにします。また、少しややこしいのですが、未実現利益の相殺消去というのもおこないます。
ただ、決算日と会計期間を同じにすれば、連結決算はそんなに難しくありません。経営者が、正しく会社のかじ取りをするには、必ずおこなうべきだと思います。自分が築いた企業グループに、自分が騙されてしまうようなことにならないことです。