「環境に適応できるモノが生き残る」の意味とは?

ビジネス講座の締めで、「最も強いモノが生き残れるのではない。最も賢いモノでもない。環境に適応できるモノが生き残ってきたのだ。」と、ダーウィンの進化論を持ち出す方がよくあります。

 

ダーウィンの進化論
ダーウィンの進化論

この場合の趣旨は「会社を持続的に発展させていくためには、環境に適応させて変化していかなくてはならない」ということです。

 

以前にもこのブログで書いたことがあるのですが、この話にはかなりの違和感を感じまています。

診断士になって、関わっていく企業の数が増えるほどに、頑固に変わらない会社ほど生き残っているように思えます。

 

そもそも、ダーウィンは生き残るために環境に適応しろ!なんて言っていないですね。たまたま、その環境に適していたモノが生き残ったと言っているだけです。

 

会社の経営環境は確かに変化していきます。それに合わせて、会社の経営のやり方をフラフラと変えることが成功するとは限りません。神ならぬ身では、環境変化がどのように起こるのかを正確に把握することは困難です。最新の技術やノウハウを積極的に取り入れて、生産性を高めるなどは重要ですが、会社の根本は変えないことも大切です。

 

もう一つ気をつけたいのは、ダーウィンは”モノ”とは言っておらず”種(species)”と言っています。彼の著作の題名は「種の起源」だということを忘れないことです。

 

 

たまたま、環境変化に適応できた一つの会社がポツンと生き残るというわけではありません。生き残るのは”種”です。種を定義するのは難しいですが、生物では交配できて子孫を残すことにできることが条件です。

一頭のキリンの首が伸びてもダメなんです。首の長いキリンがたくさんの子孫を残すことが重要です。これによって、キリンという種が繁栄します。

 

これは、ビジネスでも同じですね。